『ミーア編』
番号を押して携帯を耳にあてる。
「あれ……?」
呼び出し音は一向に鳴らない。話し中でもなく無音。おかしく思い携帯を耳から離す。
「通話中?」
『シンー!!』
「わっ!?」
画面には通話中と秒数が表示されていた。それが目に入った瞬間に携帯が震えるほど大きな声で呼ぶ声がした。
驚いて落としそうになるのを何とか手に掴んだまま、携帯は手の中にあった。
「見てないでよ」
「え?」
思わず凝視してしまっていたら、携帯から見るなと言われた。
「話す携帯……?でもあの声って……」
黙ったまま動けずにいると携帯も黙ったまま。しかしすぐにプツっと音がしたと思うとツーと無機質な音をさせはじめた。
「何なんだ?まさか怪奇現しょ……」
後ろからカツカツと足音がしてくる。それは何か急いでるかのように早足なのに踏む足音は重々しい。
「……花?」
「誕生日おめでとう!」
おそるおそる振り返ると花が眼前に迫っていた。花が話したかのようだけど、さすがにもう誰かはわかる。
「ミーア……」
「電話の時点でわかってよ」
花束がひかれるとそこにはミーアがいた。少し怒っているようで笑顔はない。
「同時にかけちゃってわからなかったのね。でも携帯が話すわけないのにシンったら……」
「ちがっ!あれは犬耳が有りなら携帯も話し出すのかと……あ」
ミーアが今さっきの事を思いだし笑いかけたため、ついムキになって言ってしまった。
勢いで言ってから自分が何を口走ったかに気がつく。
「そっか〜、耳が有りなんだもん、ねっ」
「わっ!」
ニヤリとした笑みを口元に浮かべながら伸ばされた手は、俺のフードに行き着いた。
そして思いきりはぎ取られる。止める間もなくあっという間に耳は外気に触れていた。
「可愛い耳」
「可愛いもんか」
ミーアの言動からすでに俺の状況を知っていた事に悟った。驚きもせずに可愛いだなんて…。大方キラさんとアスランさんから話しを聞いていたんだろう。
「はい、花束」
「え?あ、ありがとう」
可愛らしい花が束ねられた小さめの花束を差し出され受け取った。
「でも何で花束?」
「誕生日プレゼント……は別にあるんだけど、さっきのお詫び」
この耳の事を知ってて知らぬふりをしたお詫びという事だろうか。
あまりにも申し訳なさそうにするものだから、別にいいのにと言おうとしたら再びミーアは笑っていた。何かを企んでるかのように。
「可憐な花束を持つとお姫様っぽいしね」
「は?」
「終わりは王子様のキスって決まってるの!だからほら、屈んで」
ミーアの勢いに押されて、言われるがままに少し屈む。
肩にミーアの手が置かれたかと思うと、言葉通りにキスをされるのかと期待してしまい目を瞑った。
でも唇が触れたのは唇ではなかった。
「なっ!何で耳なんだよ!?……って、あれ?」
「さすが犬耳なだけにふさふさ」
満足そうに口元を触っているミーア。
俺はといえば、耳へのキスに驚いて耳を押さえようとしたらそこにはあったはずのものがなくて更に驚いていた。
「あたし、どっちかっていうとお姫様の方がいいけどシンのためなら王子様になってもいいかな」
「何言ってんだよ」
恥ずかしげもなく言うもんだからこっちが照れてしまう。
それを楽しそうに笑うもんだから更に照れる。
「行こ!誕生日プレゼントはシンの家で渡したいの」
「……うん」
差し出された手に手を重ねて結んだ。
まだ照れて熱くなった熱はひかないけど、こうしていられるならひかなくてもいい。
番号を押して携帯を耳にあてる。
「あれ……?」
呼び出し音は一向に鳴らない。話し中でもなく無音。おかしく思い携帯を耳から離す。
「通話中?」
『シンー!!』
「わっ!?」
画面には通話中と秒数が表示されていた。それが目に入った瞬間に携帯が震えるほど大きな声で呼ぶ声がした。
驚いて落としそうになるのを何とか手に掴んだまま、携帯は手の中にあった。
「見てないでよ」
「え?」
思わず凝視してしまっていたら、携帯から見るなと言われた。
「話す携帯……?でもあの声って……」
黙ったまま動けずにいると携帯も黙ったまま。しかしすぐにプツっと音がしたと思うとツーと無機質な音をさせはじめた。
「何なんだ?まさか怪奇現しょ……」
後ろからカツカツと足音がしてくる。それは何か急いでるかのように早足なのに踏む足音は重々しい。
「……花?」
「誕生日おめでとう!」
おそるおそる振り返ると花が眼前に迫っていた。花が話したかのようだけど、さすがにもう誰かはわかる。
「ミーア……」
「電話の時点でわかってよ」
花束がひかれるとそこにはミーアがいた。少し怒っているようで笑顔はない。
「同時にかけちゃってわからなかったのね。でも携帯が話すわけないのにシンったら……」
「ちがっ!あれは犬耳が有りなら携帯も話し出すのかと……あ」
ミーアが今さっきの事を思いだし笑いかけたため、ついムキになって言ってしまった。
勢いで言ってから自分が何を口走ったかに気がつく。
「そっか〜、耳が有りなんだもん、ねっ」
「わっ!」
ニヤリとした笑みを口元に浮かべながら伸ばされた手は、俺のフードに行き着いた。
そして思いきりはぎ取られる。止める間もなくあっという間に耳は外気に触れていた。
「可愛い耳」
「可愛いもんか」
ミーアの言動からすでに俺の状況を知っていた事に悟った。驚きもせずに可愛いだなんて…。大方キラさんとアスランさんから話しを聞いていたんだろう。
「はい、花束」
「え?あ、ありがとう」
可愛らしい花が束ねられた小さめの花束を差し出され受け取った。
「でも何で花束?」
「誕生日プレゼント……は別にあるんだけど、さっきのお詫び」
この耳の事を知ってて知らぬふりをしたお詫びという事だろうか。
あまりにも申し訳なさそうにするものだから、別にいいのにと言おうとしたら再びミーアは笑っていた。何かを企んでるかのように。
「可憐な花束を持つとお姫様っぽいしね」
「は?」
「終わりは王子様のキスって決まってるの!だからほら、屈んで」
ミーアの勢いに押されて、言われるがままに少し屈む。
肩にミーアの手が置かれたかと思うと、言葉通りにキスをされるのかと期待してしまい目を瞑った。
でも唇が触れたのは唇ではなかった。
「なっ!何で耳なんだよ!?……って、あれ?」
「さすが犬耳なだけにふさふさ」
満足そうに口元を触っているミーア。
俺はといえば、耳へのキスに驚いて耳を押さえようとしたらそこにはあったはずのものがなくて更に驚いていた。
「あたし、どっちかっていうとお姫様の方がいいけどシンのためなら王子様になってもいいかな」
「何言ってんだよ」
恥ずかしげもなく言うもんだからこっちが照れてしまう。
それを楽しそうに笑うもんだから更に照れる。
「行こ!誕生日プレゼントはシンの家で渡したいの」
「……うん」
差し出された手に手を重ねて結んだ。
まだ照れて熱くなった熱はひかないけど、こうしていられるならひかなくてもいい。
H19.9.1
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