企画会議
「真剣に考える気はあるのか!?」
「ありませーん」
隣に座るアウルがやる気を感じさせない返事をした。
黒板の前にはアスランさんとキラさん。そして携帯のメールを確認している俺の四人だけが生徒会室にいた。
「シン!携帯は終わってからにしろ」
「そもそも終わるんですか、コレ」
携帯を閉じて顔を上げる。黒板には冬の行事とだけ書かれている。
「それに無理矢理やらなくてもいいんじゃない?寒いし」
「でも生徒側から要望がある以上はやらないと駄目なんだよ」
書記に徹して話さなかったキラさんが口を開いた。
アスランさんはキラさんの言葉に頷く。
「その要望ですけどどういったものを期待してとかなかったんですか?」
「成就だ」
「は?」
「恋愛成就を」
「要は告白イベントが欲しいらしいよ」
アスランさんが力強く拳を作り力説しかけてキラさんが遮った。
アウルは相変わらずやる気を見せないままついには天井を見上げはじめてしまう。
「基本エスカレーター式だったり家を継いだりで受験とか縁がない学園だからこの時期は暇になるんだよね」
「他の学園の生徒に明らかに喧嘩売れる理由ですよね」
「じゃあ喧嘩イベントとかー?」
「やるわけないだろう!」
先ほど確認したメールの意味がわかりどうしたものかと思案する。
これはここで俺が提案して女性陣も同じ案が出たから決定みたいな流れにしたいんだろうけどうまくいく気がしない。というか提案者が俺とミーアとわかったらわかりやすすぎる。
「シンくん、何か提案がある?」
「ないですよ、ないです!あっ!」
力いっぱい否定したが握りしめていた携帯をキラさんに奪いとられた。画面をメールのままにしてたためか開けばすぐにわかってしまう。
アスランさんはわからないようでキラさんを待つばかり。アウルはわかっているのかいないのか興味がないようにキラさんを見ていた。
「いいんじゃないかな」
「何がだ?」
アスランさんの問いに答えるようにキラさんは黒板に書き出していく。
“1.男性側が期日までに専用の容器に中身を入れて生徒会に提出
2.ランダムに容器は隠される
3.男性側は女性側に告白をし、OKならば容器を探してほしいと容器の鍵を預けるもしくは共に探す
4.時間内に見つけられれば付き合うか何かご利益があるかもね。”
「最後の方いい加減ですね」
ミーアからの提案メールはもっとシンプルなものだったけど黒板に書き出されたものは具体的なものになっていた。
「こういうのはきっかけがほしい人向けだったりすでに付き合っててもイベントとして楽しめるしこんな感じでいいんじゃないかな?」
「隠すのは俺達でやるのか?」
「シンくんは参加者だから不可。それに生徒が隠すより他の人に頼んだ方がいいでしょ」
他に案もないからかほぼ決定の方向だ。
キラさんの手に握られてる携帯がメール着信を知らせるランプと振動音を鳴らすと断りもなく開かれた。
「あっちも話はまとまったみたいだね」
そのまま携帯を差し出されて受け取り確認する。
案の定ミーアからだった。
“一緒に探しに行こうね”
「これで決定したってよくわかりますね」
「アウルは若干不満そうだけど決定。女性側の意見も聞いて本決定って流れでどう?」
俺の言葉は流してアスランさんに聞くとアスランさんは特に反対意見もなく頷いた。
こうして冬で寒いというのにどこにあるかわからない物を探すイベントを行う事になった。
H24.1.2
book /
home