企画スタート?


 


「ラクスさんっ」
廊下を歩いていると窓から外を眺めているラクスさんを見つけて駆けていった。
「こんにちは、ミーアさん」
「こんにちは!何見てるんですか?」
いつものように笑いかけてくれるラクスさん。ラクスさんの視線の先が気になって窓の外を見てみた。
「カガリ先輩?」
中庭でいったり来たりを繰り返しているカガリ先輩がいた。他に人はいないからきっとカガリ先輩を見ていたのだろう。
「まだ時間じゃないですよね?」
携帯を開いて時刻を確認すると企画開始まで十分ほどあった。基本的に

フライングは禁止。それをわかっているはずだしルールを破る人ではない。

「一緒に探してもらうか迷ってるんですわ」

ラクスさんはどこか見守るような眼差しでカガリさんを見る。

「あの人をですか?」

あえて名前を出さないのは無意識だった。何となく苦手で嫌いではないけど、苦手。だから名前を口にしにくかった。

「ミーアさんは何故迷っていると思いますか?」
「それは……」

なぞなぞを出すかのような気軽さで聞かれても当人達にとってはどんな問題よりも難問だと知っているから答えられない。
ラクスさんもそれがわかっていてカガリさんが迷っている相手も理由も口にしなかったのだろう。
でもあたし達が重く話したところでどうにもならない。むしろ失礼だ。あたしもラクスさんもどちらかといえば応援しているのだから。
だからこれでいいのだ。端から見ればなぞなぞのような気軽さでも。

「ラクスさんはどうするんですか?」

話題を変えて聞いてみる。するとラクスさんは手を頬にあててため息を吐いた。

「迷ってるんですの」
「迷ってるんですか?アスランと探すのを?」
「はい。やはり私一人で探したい気持ちがあるのですがアスランからさりげなく誘っていただいてて」

ラクスさんはさりげなくと言うけどきっとばればれな誘い方に違いない。アスランはこういう事には不器用な人だ。だからこそ真剣さも伝わって断りにくいのかもしれない。

「あたしがうまくごましておきますから行って下さい」
「いいのですか?」
「それがシンと連絡が取れなくて何か知らないか聞きたいので」

もしかしたら何か巻き込まれたのかもしれない。だとしたらあの人かアウルが関与してる可能性が高そうだけど。

「ではお願いします」
「はい、必ず見つけて下さいね」

ラクスさんは微笑んで歩き去った。背中が見えなくなるまで廊下の先を見つめていると企画開始のアナウンスが流れた。
もう一度窓の外を見るとカガリ先輩はいなくなっていた。


みんな動き出した。
あたしも動き出さないとととりあえずアスランを探す事にする。
未知なイベントにわくわくしながら歩き出した。



H24.1.24



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