閑話・ミーア&アス
シンからの連絡はなかった。
一緒に探そうと約束していたのに会えない。
一通り探してみようと学園内を歩いていく。ラクスさんを見送ってから階段を下り、廊下を歩いていた。
「……何か出てこれない事情があるのよね」
シンが連絡もなしに約束を破るわけがない。
一番可能性が高いのはあの人に何か言われたかされたか。
あの人を探した方が早いか思案する。いそうな場所はある程度絞れる。でも先にラクスとの約束を……。
「ミーア?」
「きゃっ……あ、アスラン?」
真後ろで突然呼ばれて驚いてしまった。
足を止めて振り返るとアスランがいた。
あまりにもいいタイミングに更に驚く。
「何回か呼んだんだか聞こえなかったみたいだな。驚かせてすまない」
「それは大丈夫。私もアスランに用事があったの。ラクスさんが」
「ラクス!?」
何回驚けばいいのかアスランの大声にまた驚いてしまった。
アスランが声を抑えて誤ってくる。
ラクスさんとの約束はラクスさんを探しているであろうアスランを引き留める事。
ラクスさんを探していたであろうアスランも必死なようだけど引き留めなければいけない。
「ラクスと会ったのか?」
「待って、会ったけど言伝てを預かってるの」
そう告げると前のめりになっていた姿勢を正してあたしの言葉を待っているようだった。
「中庭で待ってて下さい、って」
「中庭?」
怪しまれただろうか。ラクスさんの事に関すると普段の真面目さが薄れるけど元々は真面目で頭もいい。
ラクスさんが理由もなく中庭に呼び出すわけがないと気づいてしまうだろうか。
ラクスさんはきっと中庭には来ない。アスランが隠す確率が低い場所だから。アスランならきっと屋内に隠す。
「ラクスがそう言ったのか?」
「え、えぇ」
「わかった。ありがとう」
微笑まれて罪悪感から目を逸らしてしまう。
「そういえばミーアは一人なのか?」
「どうして?」
アスランから話題を変えられ視線を戻す。
「シンがミーアと待ち合わせだからと急いで教室に戻っていったから」
「朝から集まってたの?」
「ああ」
朝から役員が集まるのは不思議ではない。でもラクスさんのあの様子だとラクスさんは行っていない。
「集まったといっても確認だけだから俺とシンだけだけどな」
「その確認誰からするように言われたの?」
「キラだ。当人は来れないって話だったけど」
「ありがとう、アスラン!」
確証が持てる言葉にお礼と心の中で謝罪した。
アスランに背を向けて小走りで階段へと向かう。
「その前に」
階段をかけ上がろうとして立ち止まり携帯を取り出した。
送信先はラクスさん。アスランは中庭にいるとメールを送り携帯をしまった。
「シン、待ってて」
勢いづけるために呟いて先ほど下りてきたばかりの階段を上がっていった。
H24.4.15
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