妄想疑惑
「そういえばさ」
「なんだよ」
キラはアスラン宅に遊びにきていた。雑誌を読んでいるアスランに話しかけるキラ。アスランは雑誌を読みつつカップに手を伸ばす。
「前、ラクスのマタニティ宇宙服見てかなり驚いてたよね?なんで?」
アスランは手が滑りカップを揺らす。幸いまだ手にとっていなかったためこぼれはしない。少し動揺しながらも笑顔で聞くアスラン。
「何でいきなりそんな事聞くんだよ?」
「気になったから」
即答され困るアスラン。
“ラクスのマタニティ宇宙服”というのは決してラクスが妊娠して宇宙服を着た姿というわけではなく以前アークエンジェルに捕虜同然で保護されキラがアスランにラクスを引き渡す時に着せた宇宙服姿の事をさす。ドレスをお腹にしまっていたためまるでマタニティに見えたのだ。
「そんな事もう覚えてないよ」
少しぶっきらぼうに答える。しかしキラの目はごまかせない。
「アスラン…まさか!?」
そう言ってアスランから後ずさるように離れる。目は“まさかそんな人だったなんて!”という感じだ。
「一体お前はどんな事想像したんだよ!」
キラに近寄って頭をつかみ揺らす。そんなキラの頭の中では…
なぜか畳の部屋にいるアスランとラクス。薄暗い部屋に布団が一つ…。着物を着ているラクスは正座をし下を俯いている。
「どうしたんだ?嫌になったのか?」
アスランはラクスの顎に手をかけ顔を近づける。そして腕をつかみ立ち上がらせ帯に手をかけ……
「あ〜れ〜お代官様おやめになって下さい〜」
回るラクス、回すアスラン。やがて帯はなくなり着物がはだけ白い肌が見える。
「よいではないか」
「だめですわ〜」
アスランはおよよとしているラクスに近づき押し倒す。
「おやめになって下さいませ〜」
ラクスはそう言いながらもアスランの首に腕をまわす。アスランはラクスの太股に手を持っていき……
スパンッ!
「痛っ!何するんだよ、アスラン」
「全部声にでてるぞ、キラ」
アスランは先ほどまで読んでいた雑誌を丸めキラの頭を叩いた。
「でも真実でしょ?」
「頼むから真面目な顔してボケないでくれ……つっこみしずらくなるから」
キラは小さく悪態をつきアスランに頬を引っ張られる。
「ひゃあ、どうひておどろひたのは?(じゃあどうして驚いたのさ?)」
「それは……」
説明しずらそうにしキラの頬から手を離す。
「やっぱりお代官様なんじゃん」
「違う!」
「違うの?じゃあ……」
なぜかアスラン宅に地下室への階段があり下りているアスラン。
アスランがドアをあけるとスクール水着姿のラクスがいた。
「もうこんな事やめて下さい!きゃっ」
アスランは平手でラクスをぶつ。ラクスは床に倒れ伏す。
「だめだよ、そんな事言ったら」
「……私はどうしたらいいのですか?」
半分あきらめたように聞くラクス。アスランは怪しい笑みを浮かべる。
「俺の前でそれを脱いで足を広げて」
「そんな事できませんわっ。きゃあっ!」
またしてもアスランの平手がラクスの頬をぶった。ラクスは真っ赤になり泣きそうになりながらも水着を脱ぎ始める。しかしぴったりしているせいかうまく脱げず胸がでた姿になる。
「脱げないの?」
「う……」
ラクスは静かに泣く。その涙をアスランは舌でぬぐいラクスの足の付け根の方へ手を持っていき水着を引っ張……
スパンッ!
「痛っ!」
「俺は変態か!」
「何でわかったの?」
アスランは少し呆れながら頭を掻きキラにもう一発お見舞いしようとする。
「フッ……」
キラは勝ったという笑みを見せる。しかし
「痛っ!」
「真剣白羽取りしても俺の手は2本あるんだからキラは頭叩かれる運命なんだよ」
キラはぶぅ〜とふくれる。その時……
ピンポーン
「誰か来たんじゃない?」
キラがアスランにそう言うとアスランはキラの事をじっと見ていた。
「行けばいいんでしょ、行けば」
キラはアスランの無言の命令に逆らえず玄関へと向かった。
「こんにちは。あら?」
キラがドアを開けるとそこにはハロを持った女の子、ラクスがいた。
「やぁ、ラクス」
「こんにちは、キラ」
あいかわらずの笑顔を見せるラクス。キラはチャンスだと思いラクスを中には入れず外にでる。
「今掃除中なんだ。もう少ししたら入れるから」
「そうですか、では待ってますわ」
にこにこなラクスにキラは唐突な質問をする。
「ラクス」
「はい?」
「アスランとの初めてのHっていつ?」
ラクスは少しぽかんとし思いだしたのか胸の前で手をポンと合わせる。
「はじめては、んっ」
ラクスは突然誰かに後ろから手で口を抑えられた。
「アスラン!いつのまに?」
キラは部屋にいたはずのアスランがいつのまにか外にいることに驚いた。アスランは上を指さす。
「2階からなら飛び降りれるからな。キラ!」
アスランはキラを大声で呼ぶ。
「お前ラクスにまでそんな事」
「そんな事とは“初めてがいつか”ですか?」
ラクスは口を抑えていたアスランの手をどけ聞く。
「別に隠す事ないじゃないか。何まさか……」
なぜかとあるマンションの玄関の前にいるアスラン。インターホンを鳴らししばし待つ、するとドアが開く。
「はい」
「ラクス!」
ラクスはアスランを見るなりドアを閉めようとする。しかしアスランはドアをこじあけようとつかむ。
「もうあなたとの関係は終わったのです!」
「俺はあなたの事が忘れられない!それともラクスは遊びで俺とあんな……」
「違いますわ!」
ラクスが否定し力が緩みドアが完全に開き家の中へむりやり入るアスラン。
「だめですわ!主人が……」
「ラクス!」
アスランはラクスを玄関で押し倒す。
「こんなところで、んっ」
ラクスが言い終わる前に唇を奪う。深く口づけしやがて手は……
スパンッ!
「さっきより痛いんだけど」
アスランはどこからだしたのか厚紙性のハリセンでキラの頭を容赦なくどついた。思いがけない力にキラは膝をつく。
「何で俺とラクスが不倫してるんだよ!」
「そうですわ!不倫ではアスランの横で白いドレスを着れないではないですか」
突っ込むべきところが違うのでは……と思いつつキラは誤りながら立ち上がる。
「じゃあ何で驚いたの?」
キラが問いかけた瞬間には二人はいなくむなしく玄関のドアが閉まった。
「アスラン、ひどい!わかったよもう聞かないから!」
「何か聞かれたんですか?」
外でキラが騒いでる中アスランはラクスにほほえむ。
「妄想が激しいやつは外に出しておこう」
ラクスは後ろを振り返り少し気にしつつも中へ進んでいくアスランについていった。
−後日−
「結局キラは何が知りたかったんだ?」
「だから何で驚いたか」
後日またキラがアスラン宅を訪問しに来ていた。
「そうゆう事じゃなくて!……あぁもう」
自分が何を言いたいのかわからなくなり不機嫌顔になるアスラン。
「僕が言いたかったのは“アスランが驚いたのはまさかラクスを妊娠させてしまったんじゃ……”って思ったからあの時驚いたのかと思ってさ」
アスランはその言葉を聞き立ち上がる。
「なんか暑いな。アイスでも食べるか」
そう言ってドアノブに手をかける。
「アスラン、まさか本当に……」
「フッ」
かすかに笑い部屋をあとにする。
「あんなことをしてたんだね!」
「何でそんな嬉しそうに言うんだよっ」
あとにしたはずの部屋から喜びともとれるキラの声が聞こえツッコムべく再び部屋へと戻る。
「ふふふ〜」
部屋を覗くと満面な笑みのキラがアスランを見上げていた。
「…お前、俺で遊んでるだろ」
「うんっ!!」
このあと今までで一番強いツッコミが飛んだことはいうまでもない。
H15.7 執筆 加筆
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