瞳の中の迷宮
「どこを見てるんですか?」
「えっ?」
ラクスが呼ばれて振り返るとそこにはいると思った人ではない人がいた。
「どうしたの、ラクス?」
キラはそう聞くがラクスは苦笑するだけで何も言わなかった。
―一瞬あのひとに呼ばれたのかと思った…
いるはずがない
会いたいのに
会えないアナタ……―
「どこを見てますの?」
「えっ?」
アスランが呼ばれて振り返るとそこには心配そうに自分を見る親友にうりふたつな少女がいた。
「どうしたんだ、アスラン?」
「いや……何でもないよ」
アスランはカガリを直視することができず空を見上げた。
―一瞬あのひとかと思った
俺なんて呼ぶはずがないのに
会いたいのに
会えないキミ……―
“どこを見ているのか”
わからない…
そんなのわかっていたら
とっくに行くべき場所へ行っているはず
どこへ行きたい?
どこを見たい?
誰と?
わからない……
まだ
まだ
わからない
アナタの瞳の中の
俺はキミの瞳の中の
迷宮に迷いたい
己の瞳の中の迷宮から
互いの瞳の中の迷宮へ
会いたい
会えない
想い募るほど
この祈りが届かないのは
何かを見失っているから…
もう一度来た道を辿ろう
世界は一つじゃないの
だから“もしも”を考えよう
会いたい
会えない
悔やみきれない
この想い伝えるまで
負けない
投げない
この身を捧げても
見つける
たとえ暗闇が
行く手を遮り
弱気な心惑わせても
きっと…
“きっと”
アナタを
キミを
見つけた瞬間が
己の迷宮から出た瞬間
会いたい
会えない
それが試練なら
必ず越えてみせる
負けずに
投げずに
待っていて
信じて
“ぬけだそう、しがらみの思いから”
必ず見つける
どこを見るのも
アナタと
キミと
一緒なら
どこでも見えるのだから…
H16.2
book /
home