革命彼女〜雪だるま〜
俺の彼女は今日も元気です。
「シンー!早くー!」
「寒くて無理……」
雪が降って積もったから外で遊びたいと言い出したミーア。……年いくつだよと思ったけど言わないでおいた。
「若いのにだらしない!あたしより若いんだからおっきいの作って」
「……何の話?」
あえて一つしか違わない事は言わないで“おっきいの作って”の意味がわからず聞いてみる。
「決まってるでしょ、雪だるま」
こんな寒い中そんな満面な笑みで言われてもやる気が起きない。
そもそも寝ている所を叩き起こされて連れ出されたんだ。まだ体が動きたがるはずもない。
「つくってー!!」
無言で背を向けた俺の腕を必死に掴み作れと言われる。
「寒いから無理」
「じゃああたしがシンの事あっためてあげるからっ」
「どうやって?」
方法を考えていなかったのか首を傾げて考え出す。
「……考えてからまたどうぞ」
「あ、シン!」
驚いて声を出す間もなく冷たい雪に向かって転倒した。
後ろから飛び付いてきたミーアが背中にひっついて暖かいけど、前は雪によって冷たくて仕方がない。
「余計作りたくなくなった」
「シン、顔あげないと窒息しちゃう」
顔をあげると雪が顔や髪について、風が吹くと尚更冷たい。
「怒った……?」
いつの間にか背中から離れ、俺の前で屈んでいた。
「ごめんなさい。まさか転倒するとは思わなくて……」
「別にいいよ」
言いながら立ち上がり服についている雪を払う。
「シン」
「何?……わっ」
ミーアの顔が近付いたかと思うと頬に暖かみとくすぐったさを感じた。
「顔に雪、ついてたから」
「……だからって舐めるなよ」
舐められた頬を手で押さえると熱くなっているのがわかった。
そんな俺の反応を楽しそうにミーアは見ている。
絶対わかってからかってるに違いない。
「もしかしたらこれで暖かくなるかもしれないでしょ?」
「舐めて暖かくなんて……じゃあ」
言葉を切って少しだけ顔をミーアに突き出す。最初はぽかんとした顔で見ていたけどすぐに意図がわかったのか顔を俯かせる。
仕掛けるのは好きなのに、仕掛けられると弱いらしい。そんな所も可愛いな、なんて思う。
「……っ」
コートの襟元を掴まれ引き寄せられると唇を舌で舐められた。
顔が離れるとミーアは俯きながらもこちらを見ていた。
「雪だるま、作って」
こんな可愛いおねだりをする彼女と今日も二人、こんな風に過ごしてます。
いつの間にか入りこんで、隣にいた彼女。
こんな日常を当たり前にして、いつの間にか変えた彼女。
それが俺の大切な彼女です。
H18.2.5
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