「桐絵ちゃん、そっち行った」
「はあ!?なんで倒さないのよ!って、もう!」
「ごめんって。おっ、まとめて来た!アステロイド、からの〜メテオラ!」
「あんた、少しは落ち着きなさいよ!」

桐絵ちゃんが呆れながらあーだこーだ行ってるのを聞こえないふりして目の前の敵を倒して行く。桐絵ちゃんの隊服は可愛いけどあんな黄緑色私には着こなせる自信がないなあ、とじーっと見ながら考えていると、また門が発生した。今日はなんだか多くない?とため息をつくと、桐絵ちゃんは行かないの?行くわよ!と返事なんか待ったなしに駆け出したので、私も数秒遅れで駆け出す。

「凪!あんたはあっちから攻撃して」
「天野了解!」

思いっきりダンッと踏み込んで上へと駆ける。途中で一旦足元にグラスホッパーを置いてさらに跳ね上がるとようやっと奴さんの背中が見えた。桐絵ちゃんがその特徴的なトリガーを振りかぶると同時に、私も片手に構えていたスコーピオンを振りかぶる。"せーのっ" なんて合図もしていないのに二人同時に切り込むと目の前にいたトリオン兵は現れて数秒、動かなくなり地面へと落下した。

「そろそろ交代かな?疲れたね」
「そう見たいね、次の隊員も来てるし。じゃあ引き継ぎして終わりましょ」
「はーい、じゃあ終わったらロビーで待ち合わせしよ」

分かったわ、と桐絵ちゃんが納得するとその後に引き継ぎである諏訪隊のメンバーがやってきた。挨拶をすると返事を返してくれた諏訪さんは年齢より増して見えるなんて口が裂けても言えないけど今日もそう見えてしまうので心の中では見た目年齢について考えていた。まあおふざけもほどほどにして引き継ぎと報告を終わらせてロビーに行くと、そこにはもう桐絵ちゃんがいたので駆け足で行く。

「桐絵ちゃんお待たせ。今から玉狛だっけ?」
「そうよ。あんたも来る?今日はレイジさんだったと思うけど」
「え!それは行きたい!大丈夫かな?」
「ふふん、そう言うと思ってすでに連絡しといたわよ!」
「もう!桐絵ちゃんさいっこう!」

いつものように二人で玉狛へと向かう途中に寄り道をして帰る。今日は晩ごはんにお邪魔させてもらうのでお土産のスイーツも忘れずに買っておく。全員分あるか確認してから買わないと、足りないと桐絵ちゃんがあんたバカなの?と冷たい目で見てくるからだ。でも私悪くないよね、と今でも実は根に持ってる。そしてコンビニを出てから桐絵ちゃんと新作スイーツについて話し始めると、あっという間に玉狛支部が見えてきた。

「すみません!今日もごちそうになります。これみんなで食べてください!」
「お疲れさまです、凪さん」
「すまないな、ありがたくもらう。食後にでも出そう」

入ってからおじゃましますと声をかけるとキッチンにいたレイジさんと烏丸くんが返事を返してくれた。陽太郎は?と聞くと今は趣味が暗躍なあの人と一緒に雷神丸の散歩に行っているらしい。もうすぐ出来上がるから待ってろ、とレイジさんに言われたので手を洗って手伝いながら待っていると、ガチャッと聞こえたのできっと彼らも帰ってきたのだろう。

レイジさんの料理も出来上がり運びながら迅さんと陽太郎におかえりなさいと言う。二人はただいまと返した後に急いで手を洗い席に着く。さて、みんなで手を合わせて「いただきます」をしてご飯を食べすすめていく。

明日も美味しいご飯が食べれますように。

ふとそんなことを考えながら明日も市民のために頑張ろうと意気込んだ。