とっても短いお話
mha hqは専らTwitt

▽2020/05/16(23:22)

ag 沖田総悟
ばかばかしい。
そう吐き捨てて俺は畳の上に寝転ぶ。い草の匂いが鼻につく。頭の中のぐちゃぐちゃとしたものがほどけて行くような気もしたし、より複雑に絡まって行くような気もした。

「総悟」

女特有の甲高い声とは違う、少し低くて心地よい声。どきりと、心臓が笑った。

「明日私非番だから、銀のとこ、行ってくるよ」
「…そうですかィ」

この間勝手にふらっと旦那のとこに行って――まあ非番の日だったから関係ねえけど――柄にもなくちょっと心配になって、それから一言言ってけと強制したのは俺の方。いまはそれが腹立たしくて仕方ねえ。
彼奴のいるほうなんてちらとも見ないで、手を振る。

「まあゆっくりしてきなせェ」

俺も非番だったから、本当は一緒にぐだぐだ過ごしていたかった。こいつはそんなの微塵も、気付いてなんかいない。
そう、と心なし弱い声で呟かれて少しの期待。

「…いってきます」
「……いってら」

ぱたんとしまる襖。俺はうつ伏せになってもう一度吐き捨てるように呟いた。

「…ばかばかしい」

こんな餓鬼みたいな想い。今すぐ捨ててしまえば楽だというのに。

彼奴の声が、耳から離れなかった。

ag



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