とっても短いお話
mha hqは専らTwitt
▽2020/05/16(23:45)
magiモルジアナと家族愛男主でした
小さな手を繋いでいた頃があった。それは彼も幼い彼女も自らの手足を持ちえていなかった、遠い昔のことである。
小さな手はいつの間にか何処かへと離れてしまっていた。それは温かな自由と乾いた砂漠のような苦さと痛みを伴って、一日たりとも彼女を想わなかった日はないほどに後悔を積み上げた。
温かな人に囲まれてやわらかなベッドで眠り、穏やかな朝を迎えるこの幸せを覚えるたび、いいようのない罪悪感に苛まれた。この広すぎる大海を越えたあの血なまぐさい屋敷で、今も彼女は泣いているのだろうか。逃げ出した彼に、彼女を案じる資格などないのだろうけれど。
「#名前#!」
少し高い波が船体を打ち付ける。甲板で一人縁に頬杖をつきながらぼうっと海原を眺めていた彼は、その呼び声に気付いて身に迫る水気に目を瞑った。
「っぶは! しょっぱ!」
「――全く、海に落ちても知らないぞ」
塩水でべたつく海水を頭からかぶった#名前#はいきおい飲み込んだそれに思い切り顔を顰めた。彼の名を呼んだ男、スパルトスは丁度手に持っていたタオルを差し出す。
ファナリス男主人公でモルジアナと家族愛。
続かなかった。
magi