とっても短いお話
mha hqは専らTwitt
▽2020/07/26(00:14)
MHA本当の嘘 IF夢主が敵落ちした
公園から連れ去られ、薄暗いバーの中でとうとうと語る死柄木。
「なあ、俺が今まで話したことは、間違ってたか?」
間違ってたかと聞く割に、実際はそんなことはどうでもいいんだがなんて付け足す。色とりどりの光の反射が死柄木の無味な髪色を染めている。
――間違っているのだろうか。個性なんてものがなければ、ヒーローは存在しなく、オールマイトはいなかった。そうならば出久は彼を目指すこともなく、そして傷を負うこともなかった。グランファの人生はあんなにも悲惨な瞬間を迎えることもなかった。
ゆっくりと床に手をついて起き上がる。継ぎ接ぎの男が一歩下がって様子を伺うように屈んだ。
「…ああ、あんたの火傷痕も、俺と同じだな」
繋ぎ止められた皮膚がひずむ。半月をかたどる唇の隙間からこぼれた声に、思わず彼を見つめた。焼け爛れて腐りかけた顔。指も腕も首も。
「…個性が、あったから、みんな、傷だらけだ」
この人もそうなのかもしれない。こんな世界じゃなかったら、まるで生きている世界とを繋ぐように留める金具の反射も存在しなかった。
ぱたぱたと、涙が落ちる。
「世の中を変えるには、何かを起こさないと始まんねえよな」
「…わたしの大切な人は、傷つけない…?」
「仲間の意思はできるだけ尊重してやるさ」
スツールチェアに腰掛けて足を組む死柄木は、にんまりと笑いながら腕を広げた。
「…ようこそ、緑谷#名前#」
涙は、一向に涸れなかった。
***
「ごめんね、勝己君」
同じく連れ去られた爆豪は、オールマイトに憧れたんだと言った。彼とは、見ている世界が違う。
「わたし、みんなが傷ついていくのがつらい。でも、今のままの世の中じゃ、みんなが卒業したらもっと傷ついちゃう。それはいや」
は、と空いた口が塞がらないとばかりに、珍しく爆豪が言葉もなく狼狽えていた。
「――だから、未来のために今を変えるには、仕方ないって、死柄木さんがそう言ってたの」
「…っ意味わかんねェこと言ってんじゃねえ!!」
「個性なんてなければ、ヒーローは生まれなかった。そんなものがなければ、誰もあんなに傷つかなかった!!」
「個性がなくなるわけねェだろーが! んなくだらねえたらればの話してんじゃねえよ#名前#…!! そいつらは、平気で気に食わねえ他人殺してる奴らだ! んなのがこの社会で勝てるわけねえだろ!!」
じゃあ正しさなんてどこにあるんだ。
正しいものが必ず残されるわけではなくて、大多数の解答が正しさに繋がるのなら、それは
「勝己くん…わたし、もうつらい。ヒーローなんて、個性なんて、なくなっちゃえばいい」
合宿でのスカウトが成功する未来ももしかしたら存在していそうだなと。思想的には#名前#のこの「個性がある→ヒーローができる→ ヒーローが出来たことによるヒーローへの責任転嫁(ヒーローがなんとかしてくれる)→傷つく」と死柄木の「超常社会(個性)→ヒーローができる→ヒーローが出来たことによるヒーローへの責任転嫁→オールマイト(が笑ってる世の中)→社会全体悪」みたいなのは近しい気がします。死柄木くんの思考考察は難しいです。
MHA