とっても短いお話
mha hqは専らTwitt
▽2020/08/11(22:09)
HQ 及川わたしには、彼此半年程付き合っている彼氏がいる。脳を割れば八割方バレーに関するあれそれが溢れ出してしまいそうなその人は、兎角惚れ惚れする顔立ちにすらりと長い背に努力の才能の塊を携えていつでも笑っているような人だった。そんな人が女の子の憧れにならないはずもなく、
「及川先輩、もしよかったら、休憩中に食べてください…!」
なんていう差し入れから始まり果てには告白と、話題に事欠くことがなかった。
それでも、彼は毎週月曜の休みにはわたしの隣に並ぶことを選んでくれていたし、それなりにうまくやっていたと思っていた。
「…ねえ、名前。わたし、昨日見ちゃって…」
そんな言葉から始まる話がいい話であるわけがなかった。
「及川、他校の女子と歩いてるの見たんだよね。それも眼鏡かけたすっごい美人」
ただ、まるで彼の金魚の糞と評すような主体性に欠けた私が彼のバレーの隙間を遮るようなことができるはずもなく、笑っているほかなかったのだ。
この日から、友人たちの中で暫定彼氏というラベリングがされた。
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