とっても短いお話
mha hqは専らTwitt
▽2020/10/29(01:13)
MHA 緑谷私の容姿は、庇護欲を掻き立てるそうだ。
父親譲りの癖のある髪は細いうえに色素も薄く、母親譲りの小さな身体はまるで縮こまる小動物を思わせる。
小さくてかわいいね。#名前#ちゃんはお姫様役にぴったりね。
私はずっと、それが大嫌いだった。私はお姫様を守る騎士の役がやりたかったのに。"小さい私"ではお姫様を守るに値しないという。
『ぼくが守ってあげるからね』
いつだかにそういった騎士役の少年は今やどこかでヒーローを目指しているという。幼稚園の頃の将来の夢なんていう足場のない妄執を、いまだに彼は抱えているのだろうか。
「僕が、#名前#ちゃんを守るよ』
絶対に。そう目の前で言ってのけたこの男はあの頃の少年とは全く異なるその人だというのに、この人までもそう言うのだ。
「――やめてよ」
彼は握りしめた拳を解いてそっと横目で私を見た。目の前に立ち塞がる悪漢の笑い声が響く。
「私は、泣いてばっかりの馬鹿なお姫様になんかなりたくないの」
騎士になりたかった。誰かを守る、そんな役。
――私だって、ヒーローになりたかった。私の個性はヒーローたらしめるには足りなかった。
「自分の身くらい、自分で守れる。貴方なんかに守られなくたって」
立ち上がった足に、彼はそっかと笑って顔を前に戻した。
「分かった。じゃあ、君のこと、守らないから――」
飛び上がった一閃の光。振り抜いた足が、敵を地面に叩きつけた。
「もう、傷一つだってつけない」
つまりは同じ意味でしょうと遮るには、彼の優しい肯定に喉を詰まらせていた。
MHA