とっても短いお話
mha hqは専らTwitt
▽2021/04/13(21:09)
magi 君青前ログ無関係
もしも本編後TOV→magiにキャラが飛んできたら
レイヴンも考えたけどおっさんはおっさんでちょっと違うのでは…
「ナマエ!!!」
一瞬、夢を見た。戦闘中なのにだ。周りは海賊に囲まれて、一切余談を許さない状況であったのに、白昼夢のようなほんの短い夢を見た。
セレスタの呼び声で我に帰ったところで遅く、左腕をばっさりと斬られていた。見た目の割には深くはなく、手負のままでも剣は握ることもでき、止血処置だけして隊員たちの救護に当たってる中着港した。セレスタには案の定何故自分に魔法をかけないのかとどやされたが、怪我の酷さを順位づけすると自分の怪我はそこまで急を要するものではなかったのだ。馬鹿かお前はと軽くはない力で額を小突かれて、また一瞬呆けた。頭の奥で、ちらちらと何かが反響しているような。空の青さがやけに目に染みる。あの日の赤黒い触腕が現れてきそうだと、何故か思った。
「――ナマエ副隊長!!!」
唐突に呼ばれた声は、至急王宮に戻るよう告げていた。
王がお呼びです。そう言われてシンドバッドの執務室に向かうと、段々と、頭が重くなっていく気がした。聞こえるはずのない声が廊下にまで漏れ聞こえている。
「――ああそうですかって納得するわけねえだろ!」
「落ち着け――」
ユーリ。
左腕の痛みが、冴えていく。引き摺るようだった足は、いつの間にか駆け出していて、挨拶も忘れて不躾にドアを開け放った。
「――ナマエ!」
ジャーファルとシンドバッドが、そこにいた。
「――な、んで」
彼らの前に、男が二人立っている。シンドリアではおよそ見かけない出立ちで、ああ、これではまるで本当に――。
バッと振り返った二人がこちらを目視するよりも先に、いきおい抱きついていた。二人はよろめきつつも倒れることはなく、言葉にもならない声を漏らしている。
「なんで、なん、で、ふたりが、ここに…!!」
「――は、え、……は?」
「ナマエ、なのか…本当に…?」
「ユーリ、フレン…!!!」
涙がしとどに溢れて止まらなかった。ただただ、懐かしい草木の匂いを纏った二人があんまりに元気そうで、温かくて、声を上げて溢れる嗚咽を最早どうする術も持ち合わせていなかった。
「――っお前、勝手に、意味分かんねえ消え方、してんじゃねえよ…!!! あのあとどんだけ探し回ったと思ってんだよ!!!」
「ユー、リ、ごめん、みんな、引っ張ってくれて、ごめん…!」
「ふざけんな、っざけんなよ、ナマエ…!!」
「本当に、君はいつも、なんであんな無茶ばかり、するんだ…!」
うん、ごめん。ごめん。ごめん、ユーリ、フレン。
立っていることさえできなくて、しゃがみ込んだナマエの肩を二人は決して優しくはない強さで握りしめて同じ目線になるようにかがんだ。
「生きてて、よかった」
フレンの安堵する声に、また涙が頬を伝っていく。涙が落ち着く頃にはすっかり声など枯れていた。
magi