とっても短いお話
mha hqは専らTwitt
▽2021/08/22(20:46)
TOV アレクセイ娘続き
「……いやあねえ、そんなアツイ目線もらってもおっさん何にも持ってないわよ」
「すみません、知り合いに似ていて。貴方は? 仲間なんです?」」
「そこの青年とちょっとした仲なのよぉ、ねえ?」
「いんやまったく」
「つれないこというねえ、お城の牢屋で仲良した仲でしょうよ、ユーリ・ローウェル君」
「ん、名乗った覚えは――」
男の手にはユーリの手配書が握られていた。
「有名だからね。おじさんは?」
「んーじゃま、とりあえずレイヴンで」
彼は屋敷に入りたいならばと手伝いをかって出た。
リタからは胡乱な眼差しを受けているが、あれで一応は城の牢屋からの脱獄には助けられた面もあり期待半分というところにしておく。門のところまで確かな足取りで向かうレイヴンは門兵といくつか会話を済ませると、にこりと笑みを浮かべた。ついで、門番はまっすぐにこちらに向かって来ている。
「な、なんかこっちくるよ?」
「そ、そんなあ……」
「あいつ、バカにして! あたしは誰かに利用されるのが大っ嫌いなのよ!」
「――なるほどね」
#名前#は可笑しそうに今にも腹でも抱えそうな笑いを堪えながら、剣を抜いた。
すらりと長い黒の剣が露を纏っていて、まるで――涙のように見えた。
「あんた――」
「ユーリ、城に入るまでの仲でしょう。私は戦いますよ」
見た目にそぐわず好戦的な女だ。穏やかな波のような雰囲気を携えておきながら、おそらくその中身は滾っている。
思わず鼻で笑ってから、ユーリも鞘を抜いた。
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