雨が降っていた。
鉛色の空から何色かも分からない無色な雨粒。
仰いだ空には何もなくて、あるのはどこまでも続く未練がましい世界。
痛い――。
感覚なんてとうに感じなくなったはずなのに、それだけはやけに響く。
傷が痛むんじゃない。
心が、痛いんだ――。
だって、まだ生きてたかったよ。
死に物狂いで勉強して、憧れの高校へやっと入れたというのに。
どうして、今ここで、
死ななくちゃいけないんだ――。
聞こえていた喧騒が遠退いて、視界が黒く淀んで落ちる。
全身から力が抜けるのを頭で感じると、最期の悪あがきに呟いた。
「死に、たく……な……ぃ」
死にたくない。
そんな言葉も虚しく、脳内の意識がどこかへ強く引っ張られるような気がした。
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