| とある概念のうた |
どうだい。 これで、信じてもらえたかい。 ぼくは、――そのもの。 さっきみたいに、 糸と糸を絡め合わせるだけで、 簡単に平行空間は作れるんだ。 そう。それと同じ。 パラレルワールド。 そうそう、けっこう君、 物分かりがいいんだね。 もっとスカートを直して、 リボンも閉めてって、 すればいいのに。 そしたらもっと、利口そうだ。 あはは。 そうだよ、この世界のぼくは、 君のセンセイなんだから。 ……。 別の空間へ。君が。 もう少し、考えておくよ。 そういうわけじゃないさ。 やるならもっと、 面白い空間がいい。 そうだ、もうこの空間は見たから、 要らないよね。 そうだよ? ほら、ぼくの指は、 こうして空間の糸を掬えるんだ。 そして、こうして、 糸屑にもできる。 もう、彼らの可能性は消え去った。 小市民のうたは、消え去った。 あはは! よくわかったね! やっぱり君は、良い。 そうだよ、君の言う通り。 ぼくはこの空間も、 あとで糸屑にするつもりさ。 ああ、もちろん。 ただし、別の空間でだけれど。 それでも、いいかい? 良い返事だ。 君はほんとうに賢い。 いい子だ。 その度胸、捨て去る力、 ただの生命体にするには、 勿体無いくらいだね。 約束は必ず守ろう。 ――に誓って。 ところで、 この教室のゴミ箱はどこだい? |