銀環月食


極夜飛行
溢れた星を飲み込んで
水先案内人は屋上から身を投げた
玉兎は雲下に期待しない
拝啓、深海に沈んだ真珠貝へ
涙で空鏡は曇らない
憶えているのは悲哀と秘愛
悠遠の乙女は撃ち落とされた
ヘリオトロープの満ち欠け
白貌は闇に埋もれる
千年経って百合に口付けても目覚めない
堕ちた星座に永久をあげる
喪失は天命
寄せては返す羽衣の波
不死の山で待ちあわせ
偽りの暁を追うお前など知らない
摩天楼の上で輝く君と添い遂げよう
今宵はあなたとタンゴを踊る


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