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「犬に噛まれたとでも思ってさ。な、良いだろう?」/煙熱

ゆっくり顔を離すと、煙ちゃんは泣きそうな声でそう呟いた。そんな顔するくらいなら、やめとけば良かったのに。
犬は無理あるよ、と返してから、今度は俺からキスをする。「犬に咬まれたとでも思ってさ、」煙ちゃんの言葉を繰り返してみせると、大きく開いた瞳から、涙が一つ落ちた。

2018,Mar,29


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