序章 政府からの手紙
「もし、あの時、私が審神者の補佐にならなかったら二度と会えなかったかもしれない。」
『俺は、ナマエに出会えたことに感謝している。』
「彼を、こんなに誰かを深く愛せなかったかもしれない。」
『こんなにも誰かを愛おしいと思うのは初めてなんだ。』
「貴方のことがもっと知りたいの。」
『お前のすべてを俺のものにしたい。』
「これからもずっと一緒にいたい」
『お前を二度と離さない』
『「貴方(お前)」のことをずっと愛してるーーー』
私、ナマエは地球に来たインベーダーというもの。といっても私は従妹に付き合って地球にやってきただけのはずだった。鬼族の私は幼いころから従妹と仲が良かったため「とある星を侵略するから一緒に来ないか」と誘われた。色んな星を侵略してきた鬼族、今回も我々鬼族の占領になるのだろうと思ってついていった。
しかし今回はいつもと違った。従妹のお父さんは、私達鬼族は圧倒的な技術力と軍事力を保有しており、武力で容易に地球を手に入れるのでは簡単過ぎて面白くない。という理由で鬼族代表と地球代表とが一騎討ちで戦い、地球代表が勝った場合、おとなしく帰り、地球代表が敗れた場合、地球を占領するという約束を地球人とした。
その一騎討ちは、鬼族の伝統に従い『鬼ごっこ』で行われ、期限内に地球代表が鬼族代表の角を掴むと地球の勝ち、鬼族代表が逃げ切ると鬼族の勝ちというものである。私はしたことないけれど…。(この戦いは2200年の時である。)
その勝負に地球人は見事に打ち勝った。私は正直予想外の結果に驚いた。そして自分の星に帰ろうと従妹と勝負したであろう男の家に訪問したとき、あろうことか従妹がその男にプロポーズされたといっていた。男は否定していたが…。
従妹に折角なのでナマエも地球に残ってみたらどうかと提案された。折角なのでこの星の文化について学ぼうと思い、私もこの星に残ることにした。
それから私は大学というものに進学した。しかし私は元々地球を侵略しに来た宇宙人として知られているため、大学内で恐れられていた。地球に侵略しに来たインベーダーがどうしてこんなところにいるんだとか、虐められたりもした。ほとんどの地球人は私を恐れ中々話しかけようともしない。だから外出するときは角を隠し、なるべく地球人に見えるように暮らしてきた。
そんな時、智之という友達ができた。彼は私が宇宙人であるにもかかわらず他の人と接してくれる。私には、それが嬉しかった。
「住むとこがないなら俺のところに来るか?」
そういって手を差し伸べてくれた智之を私は忘れない。
2205年、時間祖行軍が歴史を変えようと動き出した。歴史改変を止めるべく未来政府は国中にいる審神者になる素質がある者たちに審神者にならないかという通知を届けた__
地球に来て五年目の私はすっかり地球の環境にも慣れ、社会人として生活していた。もちろん、智之の家にホームステイしながら。そんな順調な生活を送っていた時だった。
智之と私宛てに「審神者」にならないかと政府から手紙が来たのは。
彼の返事は勿論イエスだった。何故なら彼には障害を誓い合った妻がいる。もし、彼が審神者になれば給料も高くつくし今後の生活に不自由なく暮らしていけると思ったからだろう。
対して、私には迷いがあった。
私自身の霊力は特別高くもないし、ものすごく低いわけでもない。しかし、他の審神者になる人の霊力に比べたら私の霊力はどう考えても低いのだ。
だから、自分では役不足ではないかと考えてしまう。
だけど、どうしてもなりたいとも思った、だって私には、どうしても会いたい人がいるから。
私が地球に来て二年目の頃、心も体もボロボロだった私を救ってくれた彼に…
彼に、もう一度会いたいの…“ ”に
私は思い切って智之に相談した。そしたら彼の本丸の補佐にならないかと誘われた。
私はその誘いに乗ることにした。ただでさえよそ者(宇宙人)なのに政府から審神者にならないかと通知が来たと知られたらとんでもないことになるかもしれないから。
私は智之と共に政府に返事の手紙を送った。
ALICE+