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「一緒に行こう」

ここに彼は存在しないけれど、傍にいるような気がしてならない。姿形は見えずとも、彼は私の中で生きている。そう、信じている。

「――やはり君はどこまでも彼女を継いでいたね」

眩いほど勇ましい彼女の背中。それは未来の僕に立ち向かってきた美しく気高き脅威によく似ていた。






「ナマエ、あなたまたハリーを見ているの?」

走馬灯のように蘇る色褪せない思い出。忘れもしない、彼らとの出会い。今でも鮮明に覚えている。みんなは、覚えているかな。

「もう、聞こえたら恥ずかしいよ」
「挨拶でもすればいいじゃない」
「友達でもないのに?」
「正直、少し囃し立てられているだけで話してみると大したことないわよ」

数少ない友人の1人であるハーマイオニーは重たい教科書を両手いっぱいに抱え、私の目線の先にいる少年達を一瞥して鼻で笑った。因みにハリー・ポッターとロン・ウィーズリーである。

「ハリーと同じ寮が良くて組分け帽子にお願いしたのに」
「それなのに未だ話しかけられない意気地なしは誰かしら」
「こ、これから!まだタイミングを見計らってるんだから」

ハリー・ポッター、例のあの人を前に生き残った男の子。魔法界では有名な話だった。入学式でその名前を聞いた時はとても驚いたし、どんな子なのか興味津々で組分けの様子を見ていた。一見、眼鏡をかけた平凡な男の子。しかし皆が彼に注目していた。

「ナマエにはあまり関わってほしくないわ。変に影響されてしまったら困るもの」
「校則を破るから?」
「当たり前でしょう」

確かにハリーは飛行訓練の授業で入学早々校則を破った。しかしそれはネビルの思い出し玉をドラコ・マルフォイから取り返すためで、それをきっかけにイレギュラーな1年生のクィディッチの選手に選ばれたのだから悪いことではないような。寧ろ格好いいと思う。

「さ、彼のことは忘れて変身術の授業に行きましょう。今はお勉強よ」
「あ、待ってよハーミー!」

――これは平々凡々に生きてきた私が真実を知り、決戦に至るまでの奇譚。

20171104
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