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それから私はハリー達と徐々に距離を置くようになった。嫌いになったわけではない。自分の立場は一体何なのかわからなくなっただけ。ハリー達にとって私は、何なんだろう?友達?友達なら隠し事なんてしない。
私が悩んでいる間にもハリーはクィディッチの試合で勝利し、3人で夜にベッドを抜け出してグリフィンドールの点を150点も減らし、人気者だったハリーは一夜にして学校中の嫌われ者になった。勿論、彼だけではない。ロンやハーマイオニーもだ。スリザリンは嫌味っぽくハリーに口笛を吹くし、グリフィンドールや他の寮には後ろ指を差される始末。ご愁傷様としか言い様がなかった。
内心、嬉しさもあった。仲間外れにされて心の奥底でシチューのようにぐつぐつと煮込まれた嫉妬心は彼らのちょっとしたミスでスパイスとなって私の心を踊らせた。私、スリザリンでもやっていけるような気がする。でも、人の失敗で喜んだって結局心には虚しさだけが残った。本当は私にも教えてほしかった。3人で何を話していたのかを。ベッドを抜け出してどこへ行っていたのかを。

「やあお嬢さん」 
「おっと、逃げるなよ?」

いくつか月日が流れたある日。私は授業へ移動していた。頭の中では色々な事がぐるぐる回っている。ハリー、ロン、ハーマイオニー、パパ、ママ、セオ、マルフォイ。そして顔を上げる。双子に道を塞がれた。

「な、なに」
「まあまあ、俺達と来いって」
「悪戯は嫌だ」
「しないしない。な、相棒?」
「今日は迷える子羊ちゃんに僕ら直々にカウンセリングしようと思って」

両脇からホールドされ、半強制的に連行される私。どこへ行くんだろう。というより、次も授業あるのに。サボって怒られるのは御免だ。
2人は私を庭へ連れて来た。冬が明け、初春の暖かさが身に染みる。そんな浸っている場合じゃない。

「で」
「最近どうよ」
「どうよって」
「弟が寂しがってたぜ?ナマエが突然避けるようになったって」

つまりは私とハリー達の仲を心配してわざわざ私を連行したというわけだ。私は悪くない。悪いのは3人で隠し事をするハリー達だ。私は、友達なら隠し事なんてしないと信じていたのに。

「何ていうか、女の子ってそういう生き物だよな」
「そ、約束とかグループ行動に超ウルサイ」

何が言いたいのか分からない。いらいらする。こういう時に限って冷静を保てなくなる。私は悪くないんだ。本当に、私は。

「悪くない、し」

私は寂しかっただけ。ただ仲間に入れてほしくて。置いてけぼりにされてしまうのが怖くて。3人だけの秘密が知りたくて。ちょっぴり意地を張ったら、気付かないうちに3人と離れていて。何度も手を伸ばそうと試みたけど勇気が出なかった。嫌われてるんじゃないかって。いつものポジティブはどこに行った。私の意気地なし。

「うわ、泣かせちゃったか僕ら」
「やらかしたな、相棒」
「フレッドも共犯だろ?」
「あー…よちよーち、ナマエちゃーん、泣いちゃだめでちゅよー」
「ナマエ、そう睨むなって。フレッドは本気だから」

涙よりも鼻水が酷かった。ぐずぐずと鼻を啜って、双子に何となく慰められる。やっぱり自分はまだ子供なんだと自覚させられた。だからこそ、いつも悪戯ばかりしている2人が私よりもずっと大人に見えた。ちゃんと仲直り、出来るかな。

20171105
ALICE+