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確かに、心のどこかではわかっていたのだ。ただ逃げていただけ。怖かった。拒まれてしまう未来が目に見えて拒まれる前に私は逃げた。勝手だったのは私。きっと優しい彼らなら、教えてくれたのかもしれない。「ナマエ?」
「ごめんなさい!」
いつもなら暖かいはずの談話室が冬の地下牢のように寒く感じられたのはきっと緊張しているせい。大丈夫、落ち着け私。一息置いて、口を開く。
「私ね、仲間外れにされてるって勝手に妄想してハリー達と離れて……ずっと妬んでた。今日も3人の秘密が増えたんだろうなって。先生にバレて罰を食らえばいいって」
でも、やっと気付いた。いつまでも妬んでいたって私の状況が悪化していくだけ。このままじゃ本当にスリザリン生に仲間入りしてしまう。性格の悪さは自覚していたけどここまで表に出てくるなんて。
「怒ってる?」
「僕らは怒ってなんか」
「私は怒ってるわよ。今すぐ外の湖に沈めたいくらい」
ハーマイオニーはご立腹だった。あの湖、巨大イカやら水魔が住み着いているらしいし沈められたら命からがら上がって来れるか、力尽きて引き摺り込まれるかの2択だろう。それで償いになるなら……なんて考えてみたけれどやっぱり自分の身は大切。ごめんね、ハーマイオニー。今度、いっぱい謝って夜更かしにも付き合うから。
「友達を疑うなんて最低の行為よ。それに、私達は貴女に隠してたわけじゃない。最低限、周りの人達は巻き込みたくなかったの。というより巻き込むつもりは更々なかったわ」
きっと、3人は怪しい「何か」と関わっているんだと思う。私とは少しだけ離れた世界。けれど、前よりももやもやしたものはなかった。そりゃちょっとは羨ましいと思うけど3人は私や皆を考えて行動しているわけだから。関われば命だって危ういかもしれない。ハリーが言った。そんな危ない事件と関わる友達をみすみす見逃せと言うのか。
「その事件が解決したら、私にも全部話してくれる?」
「うん、勿論」
「いくらでも聞かせてあげるわ」
私が離れた間に3人はちょっぴり勇ましくなっていた。私はハリー達が全てをやり終えた時、1番目に「おかえり」を言える存在であったら良いなと思う。きっと彼らは今よりもっと大人に近付いて、何十倍も強くなっているはずだから。勿論、私もその時には広い心でハリー達を迎えるつもりだ。でもやっぱり、みんなこのままでいてほしいな。3人とも変わったらどうしよう。私だけ子供のままなんて嫌だ。
「変わらないよ、僕達は」
「ナマエを置いていくわけないだろ?」
「たとえホグワーツからルーマニアまで離れていても私達は一緒よ」
何もかもが眠っている間に終わってしまえば良いのにと思った。そうすれば、朝にはまたいつもの彼らが待っている。なんて、都合が良すぎるのかもしれない。
20171105