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2年に進級した。久しぶりのホグワーツは1年間で見慣れた光景となって挙動不審に歩く一年生も何だか懐かしく見える。ジニーも1年生の1人でグリフィンドールに選ばれた。どうやらウィーズリー家はグリフィンドールで統一らしい。
さて、新学期早々問題を起こした馬鹿が2人いた。言わずと知れたあの2人。退校処分になるだろうと噂にもなった。そこまでやらかした馬鹿2人は何故かグリフィンドールで囃し立てられ、満更でもなく笑みを浮かべていた。車で暴れ柳に突っ込むだなんて前代未聞だ。

「待ってよ、君もハーマイオニーみたいなお説教をするつもりかい?」
「今回はあんまり言うつもりないけど、ハーマイオニーの機嫌は直してほしいかな」

ハーマイオニーは朝からご機嫌斜めでハリー達は疎か、私ともあまり口を利いてくれない。とばっちりだ。天井の空も鉛色でどんよりしている。
ふくろう便が次々と届く中、灰色の何かが水差しの中に落下し、ミルクと羽が周辺に飛び散った。ロンのふくろうらしく、エロールと呼ばれたそのふくろうは赤い封筒を銜えていた。噂の吼えメールだ。初めて見た。そんな興奮も束の間、モリーさんの怒声が大広間一帯に響き渡った。地鳴りのようにフォークやスプーンが揺れ、張本人のロンはというと額だけ出し、身体はテーブルの下に隠れてしまっていた。私がお説教するまでもなく、モリーさんの言葉が2人にとって一番の灸になったのではないかと思う。





私がこの世で嫌いなもの、ワーストスリー。3位、トロール。2位、ゴースト。映えある第1位、胡散臭いヒト。その輝かしい1位に当てはまるお方が目の前に堂々と君臨している。素晴らしくポジティブで、素晴らしく自意識過剰な彼は私達に謎のペーパーテストを配った。

1、ギルデロイ・ロックハートの好きな色は何?
2、ギルデロイ・ロックハートの密かな大望は何?
3、現時点までのギルデロイ・ロックハートの業績の中で、あなたは何が一番偉大だと思うか?


巷で噂のロックハート。世間が彼の何に惹かれるかと言えばその巧みな話術。マダム達は彼の寒いジョークに爆笑し、長ったらしい自慢話とチャーミングなスマイルに一目置く。やっぱりどこをどう見てもこの人は胡散臭い。因みにこの質問は54項目も続いていた。仕方なくロックハート著書の本は購入したけれど、実際はまだ未開封で1ページも目を通していない。きっと皆そうだろう。胡散臭い武勇伝を綴った怪しい本なんて読む馬鹿はいない。そう考えていた私が迂闊だった。

「満点です!ミス・ハーマイオニー・グレンジャーはどこにいますか?」

何かの聞き間違いである事を願った。まさかこんな身近にロックハート信者がいたなんて。ハーマイオニーの頬はまるで恋する乙女のようにピンクが差していて、見ているこっちが恥ずかしくなるくらいだった。彼の何が良いんだろう。ピクシーの捕獲に失敗し、全てハリー達に任せてそそくさ逃げた男のどこが。私にはわからない。

「ハーマイオニーって見る目ないよね」
「彼は優秀な魔法使いよ。さっきのは私達に体験させるためにわざと失敗したんだから」

ここまで来ると末期だと思う。ロックハートを信仰するくらいなら私はスネイプ先生を推す。2人だったら私の中では雲泥の差。スネイプ先生はスリザリンの贔屓をやめれば何だかんだ良い先生だ。早くハーマイオニーの洗脳も解けないかな。

「ナマエも本を読めばきっと彼への印象も変わるわよ」

ロックハートについて熱く語るハーマイオニーの横で私は糖蜜パイを無心で頬張った。甘い、甘すぎる。

20171106
ALICE+