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「…引き裂いてやる…八つ裂きにしてやる…殺してやる…」ああ、まただ。またあの声が、私の頭を支配する。身体が重い。怖い、怖い、怖い。私以外誰も、聞こえていない。だから皆、笑って、騒いで。
「…腹が減ったぞー…こんなに長ーい間…」
誰が、どこで発しているのだろう。ねっとりと耳に残る、背筋も凍るその声の主は一体、誰?
「…殺してやる…殺す時が来た…」
殺す。その単語を耳にした時、私はこのままではいけないと察知した。校長先生はマクゴナガル先生と笑っている。皆、何も気付いていない。
「…血の臭いがする…血の臭いがするぞ!」
校長先生が手を2度叩き、宴の終わりが告げられる。早く、早く行かないと誰かが死ぬ。犠牲になる。生徒達が自分達の寮へ戻るために行列が出来たけれど、私は行列を押し退けてグリフィンドールの先頭まで辿り着いた。そして廊下の真ん中で、3人と松明にぶら下がる1匹の猫を見つけてしまった。誰かが叫びを上げ、皆が壁のその文字に注目する。
――秘密の部屋は開かれたり
――継承者の敵よ、気をつけよ
眩暈がした。このホグワーツで、あってはならない何かがまた起ころうとしている。そして、その事件にはまた親友3人が絡んでいる。1年前のように、例のあの人が関係しているのだろうか。
「ハリー」
「ナマエ、」
フィルチがヒステリックになり、先生が次から次へと集う。3人は抵抗する術もなく、校長先生に連行されてしまった。でも彼らにはちゃんとしたアリバイがある。彼らが犯人である事は絶対に有り得ない。どうやら私はまた待たなければならないらしい。
翌日、ハリー達は無事帰還した。どうにか弁解は出来たらしく、3人ともげっそりくたびれていた。ミセス・ノリスが襲われた話は学校中に知れ渡り、知らない人は誰1人といなかった。そんな中、ハーマイオニーは帰って来て早々本を貪るように読み漁り、一切口を利いてくれなくなった。決して悪い意味ではないんだろうけど、ハーマイオニーが一体何を調べているのかハリーとロンは知りたがっていた。
「で、今回の件にも3人は関与してるんだね?」
「僕らを悪者みたいに言わないでくれよ」
「『秘密の部屋』を調べるんでしょ?」
「うん、まあ……そういうことかな」
「まさかまた事後報告?」
「その言い方はずるいぞナマエ!」
ずるいも何も、こういう少し卑怯な言い方をしないと話してくれないくせに。呆れ半分に話を聞き出すと、「ハリーに声が聞こえる」のだとか。あれ、もしや私だけではない?ハリーも?しかしロンやハーマイオニーには聞こえていない様子。どういうことなのか。
「とにかく学校が危ないんだ。ナマエも何か気付いたことがあったら教えてほしい」
「わ、わかった」
私とハリーだけに聞こえる声。彼と私の共通点は……これといってない。私も気になってきた。今のところ何の被害もないものの、気持ち悪いことに変わりはない。ハリー達の情報を元に私も独自で調べを進めることに決めた。
20171106