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「もう少しで初試合だね」「そうだね」
「ハリーの勇姿が楽しみだなあ」
「そうだね!」
ハリーは最近ずっとこの調子だ。理由は1つ、クィディッチの試合が迫っているためである。初出場を目前に神経質になっているため、クィディッチ今昔を黙々と読みながら知識を蓄えているわけだ。
「ポッター、其処に持っているのは何かね?」
スネイプ先生だった。どうやら先程から私達に目をつけていたらしい。ハリーは馬鹿正直にクィディッチ今昔を差し出した。私だったら魔法でシャーロック・ホームズにすり替えるのに。スネイプ先生は脚を引きずりながらどこかへ行ってしまった。怪我をしているのだろうか。
「あの脚はどうしたんだろう?」
「知るもんか、でも物凄く痛いと良いよな」
いよいよクィディッチの試合当日。大広間でハリーに挨拶するとげっそり頬が痩け、目の下には隈が深く刻まれていた。朝食も全く手をつけていないようだった。
「やっほ、ご飯食べなくて大丈夫?」
「食欲が沸かないんだよ」
「糖蜜ヌガー食べる?くちゃくちゃするけど」
「話聞いてた?」
何だかご機嫌斜めなハリーは置いといて、周りの寮生達と挨拶を交わしていると後ろから2つの腕が頭に、肩には顎がのしかかった。嫌な予感しかしない。視線だけ横に向けると双子の片割れと目が合った。この麗らかな天気にお似合いの清々しい笑みを浮かべている。
「俺達には挨拶なしってか」
「まさか、そんな酷い事ないよな」
「い、行くつもりだったよ……」
こめかみに拳がめり込む。しかしやり返せば悪戯に遭うのは目に見えている。今に見ていろ、いつか絶対仕返ししてやるんだから。
「酷いな、今日は僕らも試合なんだぜ?」
「箒から落ちてしまえ」
「本当に可愛くない妹分だなナマエは」
可愛くなくて結構。日頃の扱いを考えれば当然の報いだ。人の耳を尖らせたり、羽根を生やして飛ばしたり、身体を小さくして追いかけ回してみたり、思い返すとこれはいじめに値するのではないか。
「愛の鞭ってやつさ」
「ロンにだってここまではしないぜ?」
「それ、単なるいじめ」
直後、髪の毛をちりちりのアフロヘアーにされたのは言うまでもない。「そんな髪型でも可愛いよ」なんてリップサービスを寄越すなら早く戻してほしい。無論この頭でハリーの応援に向かうつもりである。
20171105