dust box


プロットや設定しか残っていない没ネタ置き場
大体人を選ぶものばかり
反応次第でリサイクル(再執筆)するかも?
◯旅商人/●音楽家


▼2019/10/17:◯たすけて/白黒無常


※深l夜l廻のとあるシナリオパロ
※言うまでもなくガチホラーかつ現パロ感あり
※元ネタはR15G
※一応オチはハッピーエンド




付き合わされた肝試しの帰りではぐれた友人を探して、町の林に入った夢主。
林の中は、町の密かな不法投棄の場所になっていてゴミでいっぱいで歩きにくい。
でも、友人と最後に連絡を取った際、周りがゴミだらけの場所にいると聞いたのでここへ来た。
今は廃線かつ廃墟になっている電車の車庫に繋がる橋に来ると、橋の上に誰かがいるのが見える。
よくみると、白髪で背の高い若い男性のようで橋の下の川を覗いている。
が、夢主が橋へ足を踏み入れると覗くのをやめて橋の向こうに消えるように歩いていってしまう。
怪訝に思いつつも、友人を探すために橋を渡りきる夢主。
進む途中の鍵が掛かった金網の柵の向こうに、今度は黒髪の背の高い若い男性が星がない夜空を見上げているのを見掛ける。
夢主が見ていると、見上げたまま「寒い」と呟いて消えてしまう。
今は夏なので、首を傾げる夢主。
その後、林を進むたび二人の男性の姿を見掛けるように。
ただ、現れては消えるし、こちらには気づいていない様子だったので不審に思いつつも、夢主は更に奥へ。
途中で、首吊りに使用したと思われる木箱と木に吊るされた縄を見かけて、少し気持ちがだんだんブルーに。
最奥に辿り着くと、廃電車に白髪の男性が入っていくのを見掛ける。
迷う夢主、けれど一応中を確認するために電車の中へ。
車内は苔と茸だらけで、カビ臭い。
そんな中、車窓に赤い何かで書かれた文字が現れ始める。
「寒い」「苦しい」「息ができない」………

「た す け て」

最後の四文字が現れると、車内にも関わらず雨が降り始める。
自分を濡らす雨を手についたものを見て、夢主は絶句。
…色が真っ黒か、真っ白な雨だった。
慌てて電車を出ようと後ずさると…………目の前に肌が青黒く一部が溶けた白髪混じりの黒髪の男性がいた。
猛ダッシュで出口に急ぐと……………向こうから今度は肌が青白く異様に首が長い黒髪混じりの白髪の男性が走ってきているのを見てしまう夢主。
急いで外へ出て、何とか白い男性をすり抜けて走り続ける。
散らかるゴミに足を取られながらも、死に物狂いで林の出口を目指す夢主。
けど、あからさまに生きた人間じゃない男性たちが二人がかりで執拗に追ってくる。
男性の纏う白と黒の雨にも夢主は足を取られそうになる。
しかも、よく見ると雨垂れが地面に垂れるたび、「寒い」「苦しい」「息ができない」「たすけて」という文字が浮かぶのでますます気が気でない夢主。
走っていると、最初に通った橋に戻ってきたと気づいた夢主、一か八か残りの体力全てを振り絞って渡りきる。
すると、男性二人が追って来られないことに気づく。
振り返ってよく見ると、橋の反対側に異形の男性の姿はなく二人分の人の影があるだけになっていて、一方の影には白い雨が、もう一方の影には黒い雨が降っている。
更に橋の上をよく見ると、「待ってください」と白い文字が、「お願いだ」と黒い文字、「いかないで」と両方の色の文字が床に浮かび上がっている。
夢主は、男性たちが助けてと言っていたのは理解している。
でも夢主は、巫女さんでもお坊さんでもないので、もうすでに死んでいるであろう二人をどう助けたらいいかわからない。
後ろ髪引かれる思いで、橋から離れる夢主。
すると、少し先で黒くて大きな傘が落ちているのを見つける。
壊れておらず、寧ろ何故捨てられているのかわからないほどしっかりして綺麗なので、夢主は意を決して橋へ戻る。
この程度で何とかなるかはわからなくても、少しでも気休めになればと傘を開いて、自分のハンカチも念のため添えて、橋の二つの影に近づく。
すると、影の中に泣くように蹲る二人の異形じゃない姿になった男性が見えた。
夢主は二人に手渡すように、傘とハンカチを差し出す。
夢主に気づいた二人、立ち上がって夢主から傘とハンカチを受け取ると嬉しそうに笑んで消えていった。
二人が無事成仏できたことを祈って、夢主も林を立ち去った。

その後、無事友人は見つかるも、今度は悪霊から守護霊にジョブチェンジした白と黒の男性二人に取り憑かれるとは夢主は知るよしもない。



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