dust box


プロットや設定しか残っていない没ネタ置き場
大体人を選ぶものばかり
反応次第でリサイクル(再執筆)するかも?
◯旅商人/●音楽家


▼2019/11/21:◯非売品/黄衣の王


※旅商人が(ちょっとした怪我で)鼻血ブーしてる
※ハスター様が鼻血食べて(?)る




夢主がハスター様と出会って間もない頃の話。
初対面の印象は「恋し旅空」に書いたので割愛。
お店やら商売のことは理解したので、じゃあポイントいくら出せば夢主がもらえるか聞くハスター様。

「ふむ、では如何程貢げば汝が返礼として我が手中に入る?」
「…えっと、私を雇用しているのは荘園の主ですので…もし(労働力として雇うのを)お求めであれば荘園の主にお問い合わせ下さい…」

人身売買が一瞬頭を過るも、なかったことにして多分自分のことを雇いたいのかもしれないと思ってそう答える夢主(当たらずとも遠からず)。
ハスター様は夢主の言葉を了承して、お店を去る。

数日後ハスター様が再来店。
どうやら本当に荘園の主に夢主が買えないか聞いたらしい。
そして、動揺しながらもどうだったか聞く夢主。
結果はダメだったと残念そうなハスター様。

「まことに遺憾だが、汝は″非売品″ゆえ購入できぬと宣われた。」
「そ、そうですか。」
「だが、粗末にせぬ限り扱いは委ねると。」
「…え」
「何、我は◯◯を粗末にはせぬ…案ずることはない…」

(非売品という上司の言い方に滅茶苦茶引っ掛かるも)気がついたら触手に緩やかに包囲され始めている夢主(粗末にしないというのは嘘じゃないけど、ハスター様基準なのでどうなるかは…)。
何となくこれは不味い流れかもしれない…と思い始めていると、ジンが乱入。
ハスター様に噛みつこうと彼に向かってジャンプ。
慌てて止めるためにジンに跳んでいく夢主。
宙で捕まえるも、着地に失敗して顔面から床へ激突。
痛いと思いつつ堪えて、ガツンとジンを叱る。

「こら、ジン!お客様に失礼ですよ!失礼…お怪我は?」
「ふむ、大事ない。」

顔だけ上げて気を使ってくる夢主を、特に気にしない様子で触手で抱き起こすハスター様。
感謝しながら頭を下げると、ポタッと床に赤い滴が。
自分の鼻の穴から垂れてることに気づいた夢主、止血のためにハスター様に一言断って在庫室へ。

「すみません、すぐに戻りますので暫しお待ち下さい。」
「よい、赦す。」

了承してもらえたので、ジンに下がってもらった後、在庫室で鼻に塵紙詰めてカウンターに戻る夢主。
血で汚れた床の後始末をしているうちに血も止まったかなと塵紙を鼻から取る。
止まったみたいだし、くずかごに捨てようとする…と、突然触手に手に乗せていた使用済みの塵紙を取られる。
夢主、まさかハスター様に塵紙を取り上げられるとはと仰天するも束の間、そのままハスター様は鼻血で汚れた塵紙を手に持ち変えてじっと見た後、口(ローブの顔の部分?)に放り込んでしまった。
暫く手を顔の部分に突っ込んでいるハスター様を前に、更にギョッとして呆気に取られる夢主。
そして、気が済んだように手を元に戻して夢主を見るハスター様。

「…うむ、確かこの場にて貢ぎ物を手にするには対価を支払わねばならなかったのだな…何を支払えばよい?申せ。」
「い、いえ…それは不要品ですので、お代は結構です。」
「なるほど、解した。では、我は戻る。」
「はい…お気をつけて。」
「良き奉仕だった。次期も頼むぞ。」
「…き、恐悦至極です。」

ゴミ(夢主にとっては)にお代を払うつもりだったハスター様に、戸惑いながらも必要ないと断る夢主。
何事もなかったかのように、満足げに去っていくハスター様。
後ろ姿を見送りながら、異邦の神様の考えてることはやっぱりよくわからないなあ…と夢主は考えるのだった。


※余談

本当は最初のハスター様夢にするつもりだったお話でした。
鼻から出てようが、塵紙に付いてようが、夢主の血には違いないので欲しかったハスター様(そもそも人じゃないので、どこから出たとか気にしなさそう)
店にあるものは商品(対価で手に入る貢ぎもの)と大雑把に聞いたので、じゃあ夢主や夢主の血も?と考えた様子。
でも、ちょっと趣味がニッチすぎるだろうかと思い没に…(白目)
鼻血ネタ結構好きなんですよね…(



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