ねたちょう

▼2017/08/27:無題

新宿のアーチャーとの話
※新宿ネタバレ、真名バレ注意
CCC→FGO夢主



「貴方はわたしを守ると言ってくれた。あの時の言葉に嘘はなかったでしょう?……ううん、例えそれが嘘だったとしても、わたしは嬉しかった。貴方を嫌いにはなれない。だから、わたしは今だって貴方のことが好きだよ」

何処までも真っ直ぐで人を疑うことを知らない。そして彼女は、誰かを嫌いになるということが有り得ないのだと再認識した。何処までもお人好しで善の塊。本人は無自覚なところが、また。
今から殺し合いをしようかという時になっても彼女はそんなことを言う。馬鹿げている、と思った。それでも彼女の言葉を笑うことが出来ないのは、何故か。

「君は本当に、純粋だ。その清らかさは、時に何よりも残酷だということを知るといい」
「……モリアーティさん、」

武器を構える新宿のアーチャーを見てジャンヌオルタが彼女を庇うように前に出た。

「コイツのお人好しなんて今に始まったことじゃないのよ。諦めなさい」

ジャンヌオルタの言葉にモリアーティは彼女達と過ごした日々を思い浮かべる。
彼女のお人好しは、立香すらも上回るかもしれない。
本当に、まったく、困ったものだ、と。モリアーティは一瞬だけ、困ったように笑った。少なくとも、彼女はそう感じたのだ。

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