小ネタ帳
此処は、お話に昇華出来なかった小ネタや、これからお話に昇華するかもしれないネタ達を書き留めた、所謂ネタ置き場です。主に、管理人の覚え書き処。名前変換物は*で表記。鍵付きについてはインフォページ参照。
▽歪な殺気。
【丸ごと没ネタ】で掲載中の審神者中編ネタとして思い付いてた本丸襲撃編なお話。メモってた当初もまだ妹審神者ちゃんの刀さに設定がふんわりしてて定まってなかった故に、適当にたぬ+さにっぽい感じで書いてる。
けど、全体的始まりが嫌われ要素有りで書いてたせいでその名残がある。
ので、一応配慮の為に追記に折り込んどく(展開上ネタバレ防止も含む)。
↓以下、書き殴っただけの本文(余裕で一話分に必等する為、無駄にクソ長い)。
【本文】
異様な空気と不穏な気配。
霊力の低い・若しくは部隊錬度の低い本丸を中心に何者かに狙われる事件が多発中。
(時間遡行軍が関係しているのではないかとの報告を各所属国ごとの会議で聞いた後。)
妹審神者、姉本丸に訪問中、ある瞬間に何かを察して険しく難しい顔付きに。
すぐに隣で控えていた彼女の近侍の同田貫もサッと顔色を変えて同じ方向を見た。
急に何処か外側を睨み付けるようにして見つめる妹の変化に戸惑う姉は不安げに問いかける。
(どうしたの…?的に。)
そして、唐突に前置き無く自分とこのこんのすけ呼んで言い付ける。
『今すぐウチの第一部隊を呼べ。』
視線は外側を向いたまま淡々と其れだけを告げる。
こんのすけは混乱気味に訳を問うが、切羽詰まったように荒めの口調で視線だけを向けて言葉を口にした。
『良いから早くしろ…っ!!』
あまりの慌て様に取り敢えず言われた通りにして、取り急ぎ第一部隊の面子に連絡してゲートを繋げる準備に取り掛かる。
会話も中断、突然態度を変えた妹の様子に、こんのすけ同様混乱した姉は怖じ気づいた口調で問うた。
「何………?何か起きたの…?」
その台詞に妹が苦く顰めた顔をして振り返り言う。
『動物的勘だが…アンタん処の領域に敵が侵入してきてる…。相手は、例に漏れず、時間遡行軍。向かってきてる先は…此処、アンタの本丸。敵の狙いは、恐らく大将のアンタ。数はまだ解らんが…空気からして、たぶん、それなりの数は来てる。もしかすると、かなりの量が来てるかも……。』
其れを聞いて直ぐ様顔色を真っ青にさせた姉は、座っていた身のままよろりと崩れ落ちた。
何で?という問いは、此処に居る誰しもが思った事だろう。
突然の出来事と窮地に立たされた事に動揺してしまった彼女は、此処の主としての責務としてすぐに策を練るという事が出来なかった。
代わりに動いたのが、内心では同じく動揺しているのだろうが表に出さない少しだけ先輩の妹審神者だった。
『取り敢えず、お前はどっか隠れられる奥か審神者部屋にでも隠れてろ。良いか、絶対に表には出て来るな。死にたくなけりゃ言う事聞いてろ。お前はとにかく万が一の為に、一番錬度高い奴と一番信頼ある奴護衛に連れて部屋に行け…!他の奴等は、持てるだけの刀装付けて戦闘に備えろ!極力、デカイ刀は室外に、短刀・脇差は室内に回れ…っ!!良いか?此れから立ち回るのは、演練なんかの予行練習なんかじゃない。ぶっつけ本番の実戦だ!舐めた覚悟してっとマジで死ぬ戦いだから、本気で覚悟しろ!!お前達の目的はただ二つ…!お前等の主を絶対に護り切る事!!そして、本丸を守り切る事…!!其れだけだ…っ!!俺の事は無視しろ、お前等は自分の主を護る事を優先すんのが第一だ…っ。』
「ね、ねぇ…っ、其れって、本当の事…なんだよね?嘘とか、冗談とかじゃ、ないんだよね……?」
「嗚呼…此奴の言う通り、間違いねぇぜ。本当に敵が攻めて来てんのは、事実だ。」
「ま、まんばちゃん…っ、本当なの…?」
「あ、嗚呼…っ、残念だが、本当の事のようだ…。悔しい事だが、今、アンタの妹に言われて気付いた……。確かに何かが此方へと向かってきてる気配がする。」
「そ、んな………ッ。」
近侍として側に仕えていた山姥切に縋り付くようにして震え出す姉。
まさか話に聞いていた事件の話が真になり、標的が自分の本丸となるとは誰が思っただろうか。
ショックを受けて動けなくなった彼女の手前、なるべく平静を装って対話に応じた山姥切だが…瞬時に気付いただろう妹の反応に舌を巻くと同時に、言われてしか気付けなかった自身の未熟さに腹を立てた。
実戦となれば、彼女も同じ初めての経験の筈だが、肝の据わり方が違ったのだった。
年齢的差や人生の経験値から言えば、自身の主の方が上であるのは確かだったのだが、このような場では、妹である彼女の方が大きく見えた。
「俺はどうすりゃ良い…?出るか?」
『いや、まだだ。お前一人出す訳にはいかない。部隊が揃ってからだ。』
「解った…。」
『こんのすけ、第一部隊の状況は?』
「はいっ!只今、此方の本丸とのリンクを終えました!ゲート、開錠致します…っ!」
『了解。狛隊本丸・第一部隊、此処に…!!』
彼女が翳した手先から発した花吹雪の中より六振りの刀が現れ、顕現する。
ぶわりと撒き散った桜吹雪の中から、各々の者達が姿を現す。
「俺達の事、呼んだ…?」
『おう。現在、当本丸は敵の侵入を受けた。目下の目的は、その敵の殲滅。数はまだ不明。よって、此れより、お前達第一部隊を先行部隊として前線へ向かわせる。敵の部隊数及び各陣形を偵察、確認の下、逐一に報告せよ。進行レベルによっては、先手を打て。遠戦は遠慮無く使ってけ。故に、遠戦用刀装を装備していくのを忘れるな。此れは、審神者命令だ。覚悟して臨め。良いな…?』
「りょーかい、…っと。」
『良し…。では、第一部隊出陣せよ…!こんのすけは、引き続き第二部隊との連絡、及びリンクを開始。再度此方のゲートと繋ぐ事を頼む。その後、此方と彼方との本丸リンクを閉じ、ゲートは塞ぐ事。緊急ゲート以外のリンクを一切封じる。万が一、ウチの本丸にも攻め入られちゃ堪ったモンじゃねぇからな…。だから、伝えれる事は全て伝え切ってからにしろよ?あと、ウチの本丸の残りの部隊にも戦闘準備出来るよう指示、何時戦闘に入っても良いよう臨戦体勢での待機を取るよう伝えて。』
「り、了解しました…っ!作業終了後、随時ご報告致しますね…!」
『頼んだ。…さて、たぬさん。いっちょ、私と死ぬ気で一緒に戦ってくれるかな…?』
「アンタなぁ…主の癖して、死ぬ気とか縁起でも無ぇ事言うんじゃねーよ。」
『はっはっは…っ、こうでも言わないと空気出ないだろうが…。何も本気で死ぬ気じゃないんだから、真面目に突っ込むんじゃないよ。冗談だって解れ、阿呆。』
「誰が阿呆だ。…で?アンタは、此れからどうする気だよ?」
『ちっとばかしの時間稼ぎにしかなんねぇが、この本丸内を覆える程の結界を張る…。流石に規模がデカイし、初めての実戦での試しだから、上手く出来るかは解んねぇけどな。けど、アイツの精神がブレている以上、アイツが張った結界だけじゃ不安定で何処まで持つかも解んねぇ…。此れは憶測だけど…たぶん、アイツのだけじゃ、この本丸を守るのには持たない。だから、そのカバーに俺の結界を張って強化する。んで、その後余裕があれば、外側と面した本丸中に護符を張り付けておく。そうすりゃ、万が一庭先まで入って来られても足止め代わりにはなるだろ…?』
「…案外色々と考えてんじゃねーか、アンタ。」
『まぁな。もしかしてを想定して、一応頭の隅ではずっと考えてた事だからな……審神者となる前から…。俺みたいな奴でも、馬鹿には出来ないって解ったろう?』
「嗚呼…そうだな。」
悲痛な表情で近侍の山姥切に支えられながら、奥の審神者部屋へと引き摺られていく姉が此方を振り向く。
「狛…?待って、もしかして、アンタ…ッ。ちょっと待ってって…!」
『安心しろ。お前の本丸は絶対に護り切ってやるから、心配すんな!勿論、アンタんとこの刀も折らせないし、全員護り切ってやる。だから、お前はお前が出来る限りの事を成し遂げろ。戦の事は、俺に任せときな…!』
「其れじゃあアンタは……ッ!!」
『大丈夫。俺も死なないし、お前も死なせない。そんな事、俺の処とお前の処の刀剣男士達がさせる訳ねぇよ…!だろ…?』
宥め諭すように、達観したように先を見据えた妹審神者が彼女を見た。
その眼差しを受けて、一種の覚悟を受け取った彼女は頷き、堪え切れずにいた涙の筋を一筋溢した。
「解ったよ…。どうせ、何言ったって止める気は無いんでしょ…?解ってるよ、アンタの事は……。何時も私の言う事聞かない馬鹿な妹だものね…?良いよ、何処にでも行けば?その代わり、絶対絶ぇーっ対に死なない事…!此れが許可する絶対条件っ!!」
『は…っ、条件も何も、テメェじゃどうにも出来ねぇんだろうが…。荒くれ事は俺の専門分野だ。テメェは、黙って俺に任しとけ…っ。』
「ッ………!絶対に死ぬなよ…ッ!!」
『応…っ!!其れだけは、絶対ェまかり間違う事はしねーよ…。』
互いに伝えれるべく言葉を告げ、別れを告げる。
我が姉の後ろ背をしっかり見送り終えた後で、前を見据え直す。
「良いのか…?アレで。」
『良いんだよ…俺達はこんなんで。絶対死なない。お互い生き伸びて、次に顔合わせるときゃ笑って逢う。今は此れだけで良い…。お前は、今、俺の近侍だ。コイツが終わるまで側から離れんじゃねーぞ…?あと、ついでに言うけど、支えんのも忘れんなー?』
「わぁーってるつぅーの、んな事ぁ…っ。あんだけアンタの姉貴に睨み効かされたら、死んでもアンタの事護り切らねぇとならねーだろうが。じゃねーと、敵に斬り殺される前に、アンタんとこの姉貴に殴り殺されるわ。…つーか、側から離れるなって台詞は俺が言うとこの台詞だろ…。アンタが言ってんじゃねーよ。」
『はは…っ!それでこそ、俺のたぬさんだ。』
小さく笑い声を上げたところで、こんのすけの表示する通信機から電子音が発する。
「第二部隊との連絡、無事終了致しました…!此れより、此方の本丸へのリンク、及びゲート開錠を行います!間もなく、狛隊本丸・第二部隊、到着致します…っ!!」
『おっしゃ…!そんじゃ、おっ始めるとしますかねぇ…ッ!!』
ガッと片方の拳を掌に打ち付けた狛は、闘志を漲らせて声を張り上げた。
『陸奥国一審神者、狛本丸の力見せてやりましょうかね…ッッッ!!』
僅かに恐怖を滲ませた心は身を震わせたが、不敵に笑んだ眼はギラリとギラついて前方を睨み付けていた。
この後、敵と交戦、ドンパチやらかす。
2019/10/09(17:31)
▼▲▼