小ネタ帳

此処は、お話に昇華出来なかった小ネタや、これからお話に昇華するかもしれないネタ達を書き留めた、所謂ネタ置き場です。主に、管理人の覚え書き処。名前変換物は*で表記。鍵付きについてはインフォページ参照。


▽夢想の狭間に彷徨う。

同田貫掌編。
何かふわっとした雰囲気物を書こうと思って書いてた物だったけど、最終的「自分コレ何が書きたかったんやろ?」となったので詰んだ。
取り敢えず、何か同田貫さんがいっぱい出てくる+そんな同田貫さん達に囲まれる感じの内容。
設定としては、仮想空間的なとこに意識だけ放り込まれて自分とこのたぬさんを探して見つけようとしてる設定。
何か知らんけど同田貫の個体がいっぱい居る→たぬき沼へいらっしゃ〜い。
ウチの子じゃないけど何か奥の方へ案内された→此処の一番お偉い感じのポジションに居るっぽい同田貫さんに会う。
ウチの子とはタイプ違うけど、見た目は同位体やからそっくりやねぇ〜的に内心思う。
そしたら何かそのボスっぽい同田貫さんに気に入られ嫁入りさせられそうになる。
其処へ颯爽と登場ウチの子なたぬさん!→自分の大事な主を取られて堪るかと盛大に威嚇モード!
そうこう話聞いてたら、実は「お前俺の嫁に来いよ」発言かました奴…集合体・同田貫正国の本霊だった!
審神者吃驚、たぬさんめっちゃ警戒、本霊同田貫さん愉快そうに笑う。
何やかんやありつつも、そのよく分からん謎空間から脱出成功!→よく分からんけど同田貫好きな俺からしたら面白かった(最高の空間やった)わ(笑)なテンションで終わる。
オチなんて物は知らん。
結構頑張って書いてたんでそれなりに長くなった。
故に本文は追記に折り込んだ。
↓以下、本文(中途半端に終わる)。


【本文】

夢を見ているんだと思った。
何処か遠くへ行こうと足を踏み出した途端に地面を踏み抜いたと思った瞬間、河か、池か、底無し沼か。
突然として水の中に飲まれて混乱した。
とにかく何処でも良いから陸に上がりたくて、必死に呼吸の出来ぬまま早く息を継ごうと水面を目指して上へと泳いだ。
私、泳ぐの苦手なのに…というか、泳げないのに、どうしてこうなった。
訳が分からないまま、取り敢えず上を目指して泳げば、ばしゃりっ、と水面へ顔を出す事が出来た。
其処で漸く息を継いで、急激に吸い込んだ酸素に噎せつつもそのまま呼吸が落ち着くのを待った。
暫くして呼吸が落ち着くと、不思議と浮いてられた躰の事は無視して、辺りを見渡してみた。
取り敢えず、足場の着けれる陸地に上がりたい。
そしたら、すぐ近くに地に着けれる陸地があったので、今度は其処へ目指して移動し水の中から上がった。
陸地に上がってから改めて自身の様を見下ろすと、すっかりびしょびしょに濡れてしまっていた。
このまま居てはその内躰を冷やして風邪を引いてしまうな、と半ば他人事のように思いながら、水を吸って重くなった服の裾部分だけでも絞って動きやすくしてみる。
其処で漸く水の事の方に意識が向いたが、はてさて、この水は一体何の水だったのだろうか?
底が見えるかどうか改めて水の中を覗き込んでみるも水底と思われるものは見えず、代わりに水面に映った自分の貧相で情けないずぶ濡れ姿が映っただけだった。
果たして、今しがた己が浸かっていた此れは、池なのだろうか。
はたまた小さな湖か、何処ぞの沼だろうか。
というか、そもそもが人が浴びて大丈夫な水だったのだろうか?
疑問は尽きない…が、考えても何も分からない上に埒の明かない事なので、そろそろ一度思考に蓋をして場所を移動してみるなり行動してみる事にした。
一先ず、もう一度辺りを見渡してみて、現状の把握に努めてみた。
自身が今居る場所は、どうやら水辺近くに存在する大きな鳥居の在る陸地らしい。
他に分かる情報は、鳥居の先に続く道が一本あるという事だけで、其れ以外の情報は特に分かる事は無かった。
というか、其れだけしか情報を得る事は出来なかったというのが正しいだろう。
本当に、どうしてしまったのだろう。
一体、此処は何処なのだろうか?
分からない事だらけだ。
しかし、大きな鳥居の先に見える一本道を進んでみるしか次の行動の案は浮かばず、取り敢えずは本能が告げるままに動いてみる事にした。
紅い大きな鳥居の真下に来てみると、其れが誠大きな建築物である事を認識する。
…にしても、大きい鳥居なもんだ。
こんなに大きなもの、一体何の為に建てられたのだろうか。
不思議に思いながら、先に続いていると思しき一本道へと足を進め歩いて行った。
長く伸びているらしき一本道には、最初に見たものよりかは幾分規模は小さいが、同じく紅い鳥居が続いていて先の道を指示しているかのようだった。
視線の先に紅の道がずっと続いている。
平らな石畳の道を濡れて重くなった身を引き摺ってペタペタと歩いた。
道なりに進んでいくと、やがて開けた場所に出て、大きく広い御堂のような御社のような処の前に来た。
何処かの神社かお寺か何かだろうか。
何かしらを示す看板か標識は無いかと辺りを見渡してみるも、特に其れらしきものは見当たらず。
仕方なしに探す事を諦め、取り敢えずは一度身を休める場所を探すかと辺りを散策してみる事にした。
未だ誰に逢う事も無しに此処まで進んできたが、誰かしら居ないのだろうか。
人っ子一人居る気配がしないのだが…誰でも良い、一人でも誰かしらに逢えれば不安に渦巻く精神に安心を抱ける。
そう思いながら、開けた場所にポツリ、と在る建物周辺を散策して回った。
そうすると、どうだろう。
ふと向けた視線の先に人影が映ったではないか。
此れは幸いと思い、其方へと駆けて行って声をかけてみた。
見かけた人影が此方を振り向き、視線を交える。

『あの…っ、突然すみません……!ちょっと道に迷ってしまったみたいで、出来たら此処が何処なのかを…教えて頂きたい、のですが………っ。』

途中で言葉に自身を失くしたように声が尻窄みに小さくなっていった。
其れもその筈だった。
声をかけた人影が、まさかの自分がよく知る者とそっくりな者だったからだ。

『ぁえ……?たぬ、さん………?』

思わず思った事がそのまま口から出ていってしまった。
私がそう言葉を発した途端、目の前に映る彼が不思議そうに首を傾げて口を開いた。

「何だ…?此処に人が来るなんて珍しいな?」
『ぇ……っ、あれ、たぬさんじゃない…?…あぁ、そういや姿形はよく似てはいるけど別個体別刃さんかぁ…。気配が似てるから勘違いしちゃった……御免なさいね?』
「いや、其れについては別に構わねぇけどよ…。口振りからして、アンタ、俺を知ってるみてぇだな?…もしかして、俺とは別の同田貫を所持してんのか?」
『え?えーっと…所持と言える内なのかは分かんないけど、確かにウチの本丸に一振り、居ます、よ…?』
「本丸か…ってぇーと、アンタ、例の“審神者”ってヤツやってる奴か…。成程な。其れなら、此処に来れても可笑しくはねぇか。」
『え……?えーっと…何かよく分かんないですが、取り敢えず、怪しい者ではないのでご安心頂ければなぁと思います………っ。其れと、加えて此処が何処なのかをご案内頂ければ幸いかなぁ〜…、と……。』

てんでよく分からない状況は変わっていないが(寧ろ悪化した気がするが)、誰かしらの一振り(一人?)と出逢う事が叶ったので一先ずは安堵する事が出来る。
取り敢えず、これから先の事を考える為、自身の本丸に居る彼とは別個体と思しき一振りの反応が返ってくるまで待ってみた。
すれば、彼から思わぬ対応が返ってくるのであった。

「まぁまぁ、案内は後にでもしてやるからよ。今は着替えやら何やらが先だろ…?アンタ、すげぇびしょ濡れじゃねぇーか。そんまま居たら風邪引いちまうぜ?何があってそうなっちまったか知らねぇけどさ、一先ずはその状態をどうにかしねぇといけねぇーわな。脱衣所に案内してやるから、付いてきな。」
『は、っえ…?いや、あの、待……っ、』
「事情聞くのは其れからだ。…ほら、来いって。別に取って食ったりなんてしやしねぇから。」
『や、そういう意味では………っ!って、わわわ……っ。』


何故か此方の有無を訊かぬまま、グイグイと腕を引かれて何処かへと連れて行かれる流れとなってしまった。
この刀(ヒト)、人の話聞いてるようで全く聞いてねぇな…?
此れはちょっと困った展開になってきたぞと思いつつも、流れに身を任せるしかない現状に少しばかり頭を抱えた。
グイグイと些か強引且つ強めに掴まれ引かれていたので、数回抜け出そうと試みてみたのだが思ったよりも強い力で掴まれているせいか振り解けずに、結局彼に引っ張られるまま場に到着したのだった。
確か、先程彼は“脱衣所に案内する”とかどうとか言っていたような…。
案内された場所の様子を見渡しながら、先程彼と交わした言葉の記憶を遡っていた。

「ほらよ、着いたぜ。此処が脱衣所だ。躰冷やして風邪引いちまう前に、早くその濡れた服脱いじまいな。脱いだ服は其処の籠にでも入れといてくれりゃ、こっちが乾かしといてやるからよ。」
『え……っ、…こ、此処で脱ぐんですか……?今…?』
「他に何処で脱ぐって言うんだよ…?さっさと脱いで乾かさねぇと、アンタもそのまんまじゃ寒ぃだろ?」
『いや……っ、他人様のお家(?)に来ていきなり服脱ぐのはどうかと思いまして…?』
「んな事気にしてたのかよ…。別に構わねぇって。其れよか、大事な客人のアンタがそんまま居て風邪引かれる方が困るっつの。」
『いえ、別に私客人でも何でもないのですよ…?ただの迷い人というか、単なる迷子というか……、』
「ごちゃごちゃうるせえ。とっととその服脱ぎやがれって。」
『いや、だから俺女だから…!そんな簡単に人前で脱げないからぁ…ッ!!』
「…ああ、何だ。そっちか…。そういや、アンタ女だったか…。道理でひょろっこい見た目してんなと思ったわ。」
『え……ちょい其れ失礼な物言いなんですけど。地味に酷いんですけど…。』
「すまん。じゃ、俺は外出とくから…脱いだら服は籠ん中に入れといてくれ。んで、其処開けたらすぐ風呂だから、湯船に湯も張ってあるんで、湯ぅ掛かるなり浸かるなりして温まってから出て来てくれよ。代わりの服もこっちが用意してやっとくから、今着てる服が乾くまで其れ着てな。…じゃ、また後で。」
『………は。』

再び何が何やらな状況に陥ったまま、一人脱衣所に残されガラピシャンと戸を閉められた。
マジでどうなってんだこの状況…。

『…まぁ、良いか。なるようになるしかねぇわな…今は。』

早々無駄に考える事を放棄して、言われた通り濡れた服をその場で脱ぎ、お風呂が在るという方向へと向かって行った。
浴室内と思しき場所に入ると、確かに其処にはお風呂が在って、しかも天然物の露天風呂っぽい造りのお風呂になっていた。
謂わば温泉なるものだろうか…パッと見源泉掛け流し有りの露天風呂といった感じで、思わぬ形で極楽を味わう事となったのであった。

(まさかこんな状況で、こんな処で温泉に入れるとは誰も思わねぇだろうよ…。)

もう本当に何が何やら…。
もうなるようになるしかないと思う他無かったのだった。
如何にもカポーン…ッ、と擬音の付きそうな感じで至れり尽くせりな状況に、混乱も此処まで極めれば最早どうでも良くなってくるレベルである。
いや、本気でどうでも良くなった訳ではないけども。

「大丈夫かぁー?ちゃんと生きてっかぁー?溺れたりなんてしてねぇだろうなぁー?」

湯に浸かり始めてからだいぶ時間が過ぎてしまっていたようで。
様子を見に来たのか、風呂の外から心配の声をかけてくる彼の声が聞こえてきた。
うっかり寛ぎかけていた脳味噌に我に返り、慌ててばしゃりっ、と浸かっていた湯から出て返事を返す。

『ぅあ…っ!?だ、だいじょぶでぇーす!ちゃんと生きてまぁーっす!!溺れてもないですよぉー…っ!!』
「そうかぁー。なら安心したぁー。湯中りすんのも悪ぃから、逆上せねぇように程々のとこで上がれよぉー。」
『了解でぇーす!もう上がりまぁーす…っ!』
「おー。んじゃ、また外出とくから、何か分かんねぇ事あったら呼べよぉー。」
『はぁーい…っ!』

ざばざばと湯から出てペタペタとひんやりとした床を歩いて脱衣所へと戻る。
思っていた以上にゆっくり浸かっていたお陰で、びしょ濡れで冷え切っていた躰もすっかり温まったようだった。
風呂場から出てすぐの処に掛けられていたタオルで水気を拭い、濡れた服の代わりに用意された仮の衣服に着替え、出入口へと向かう。
ちなみに、仮に用意された服は旅館などでよく見る浴衣と上着に着る用の羽織だった。
下着は、もしかすると時代錯誤な物を用意されるかもと危惧したが、何故かちゃんとした女物(現代の其処らによくあるパンツ)で安心した。

『…あのぉー、お湯頂いちゃってすみませんでした…。お陰でしっかり温まる事が出来ました。着替えも用意してくださって、有難うございます…。』
「おう、出たか。ちゃんと温まれたんなら良かったよ。浴衣、寸法合ってたか…?」
『あ、はい…サイズの方は大丈夫でしたよ。…着方は此れで合ってんのかどうか分かんないですけど、一応記憶にある限りの着方で身に着けました…。微妙に合ってない気がしなくもないですけど、この際ぶっちゃけ適当でも良いかなぁ…と。』
「まぁ、裸で出て来られるよかマシだから構わねぇよ。…ちょっとだけ手直しするくらいで大丈夫そうか?帯、そんままだとすぐ緩むだろうから結び直してやるよ。ちょっと躰触っちまう事になるけど、良いか…?」
『あ、はい。其れくらいなら、別に…。寧ろ御手を煩わしちゃってすみません…っ。』
「こんくらい、大して気にならねぇって。…ほらよ。此れなら、簡単に着崩れしねぇだろ。あ、アンタ、髪乾かして来なかったのか?中にドライヤー置いてあっただろ?」
『え…?あ…。そういや、あんま周りよく見てなかったので…気付きませんでした。』
「アンタなぁ…せっかく躰温まったってのに、髪乾かさなかったら一緒じゃねーか…。」

2020/04/25(09:29)

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