小ネタ帳

此処は、お話に昇華出来なかった小ネタや、これからお話に昇華するかもしれないネタ達を書き留めた、所謂ネタ置き場です。主に、管理人の覚え書き処。名前変換物は*で表記。鍵付きについてはインフォページ参照。


▽刀さに(たぬさに)中編没ネタ5

本丸敵襲編ネタ・その2(一個前の続き)。
開幕冒頭ら辺のつもり。
書きたい部分だけ書いた。


【追記】

不意に、深い眠りから覚めて意識が浮上した。
「何かあったっけ…?」と夢見心地の頭を働かせてからゆるりと目蓋を開く。
すると、隣に在った筈の温もりと存在が無くなっている事に気が付き、ふと意識が覚醒する。

(あれ………何で俺、今起きちゃったんだろう…?まだ夜中の時間な筈なのに……。其れに、たぬさんが居ないのだって、きっと厠とかに起きてるからで、そんなに気にするような事でもないだろうに…何で、こんなに胸騒ぎがするんだろう。…何で、こんなに変にザワザワと心が波立つんだろう…?)

妙に気になってしまった私は、其処でぼんやりとしながらも躰を起こし、完全に起き上がった。
そして、改めて隣を見遣るが、其処に彼の姿は無いし、彼の存在は無い。
たぶん、厠辺りにでも行ったんだろう。
そう思いはすれど、一向に心は落ち着かず、寧ろ不安が増すばかり。
終いには、布団から出ようと腰を上げ、立ち上がろうとして、ふと気付いた。
―障子と障子の隙間から見える先が、夜中にしては妙に明るい事に…。
その事に不審に思って部屋の入口である戸口の方へ寄ろうと行きかけていたら、途端にその戸口がスパンッ、と勢い良く開かれた。
開いた人物は、今しがた存在の行方を心配していたたぬさんであった。
彼が無事に戻ってきた姿に安堵したのも束の間で、すぐに違和感は襲ってきた。

『あれ…何でたぬさん戦装束なんか……、』
「おう、アンタ起きてたか。丁度良い。今、急いで起こしに呼ぼうとしてたとこだったんだが、手間が省けた。」
『え…、こんな夜更けに何が……?』
「時間が無ェから、今から俺が話す事全部落ち着いて聞いてくれ。良いか、今から話すのは冗談でも何でもねぇ本当の事実だ。其れを踏まえて手短に説明すっぞ。」
『…う、うん……分かった。取り敢えず、どうぞ…っ。』
「良し。まず結論から言うと、現在俺達は敵の襲撃を受けてる。此処、本丸に敵が侵入してきてんだ。既に先に気付いた奴等が率先して敵の足止めをしてるところだ。つまり、現在進行形で敵と交戦中。…何時どっから入り込んできたのかも分かんねーし、原因も不明で、今は何もかが訳分からねぇー事状態だ。だが、そう易々と此処を陥とされる気もただ殺られる気も更々無ェ。とにかく、今はアンタを無事安全な場所まで逃がすのが目的だ。俺は、その手助けに此処まで来た。いきなりの事で戸惑う理由も分かるし、混乱しちまうのも無理は無ェが、今は一刻を争う時なんだ。急いでこっから逃げんぞ。寝間着のまんまは流石に動きづれぇだろうから、今すぐ走りやすい服に着替えろ。あと、此れ…薬研にアンタに渡せって頼まれた。少量だが水分が入ってっから起き抜けに飲んどけってよ。此れから走るからな、ぶっ倒れちまわねぇーように飲んどけ。」

2021/02/28(14:17)

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