小ネタ帳

此処は、お話に昇華出来なかった小ネタや、これからお話に昇華するかもしれないネタ達を書き留めた、所謂ネタ置き場です。主に、管理人の覚え書き処。名前変換物は*で表記。鍵付きについてはインフォページ参照。


▽虹色colorful*その3

諸々事情あって今回お蔵入り化した、月刊少女野崎くん夢Vol.3。
鹿島編、『靡かない高嶺の花』。
※御子柴双子妹設定。
※夢ページでは名前変換仕様で掲載してたけど、お蔵入り化させた経緯でネームレスのデフォルト名表記で明記なう。
苦手な人は回避してちょ。
※尚、こっちに移してくる関係で一部加筆修正済み。
▼以下、追記より本文。


【追記】

「あ、真琴ちゃぁあーんっっっ!!」

佐倉とマコと三人で仲良く駄弁りながら帰り道を歩いていると、突然見知った奴の声(大声)がしたと同時に、身体に衝撃が走った。

「イデ…ッ!?」
「み、みみみこりん!?だ、だだだ大丈夫!!?」

ソイツから勢い良く後ろから飛び付かれ、盛大に前のめりになる身体。
バランスを崩しそうになるのを何とか堪え、寸でで踏み止まる。

「わぁーいっ!真琴ちゃんと逢えたぁー!!今日は運が良いなぁ〜!!逢えて嬉しぃ〜っ!!」
『鹿島くん…重い』
「あはは!嬉しくって、つい…!ごめんねっ!」
「え?あ、鹿島くん…!?」
「あ、千代ちゃんも居る!やっほー!!」
「へ!?あ、うん、やっほー…」
「鹿島、テメェ…ッ!!いきなり何すんだよ!?危ねぇじゃねーか!!」
「いや〜、真琴ちゃん見付けた途端、つい衝動的に抱き付きたくなっちゃって!」
「だからって、いきなり飛び付いてくんじゃねーよ!ビビるだろ…!?」

あまりにも俺の存在をスルーしやがるから、怒りのあまり思わず怒鳴り散らしてしまった。
だって、ただ普通に友達と歩いて帰ってたら、突然後ろからド突かれたんだぞ…!?
ただでさえ俺はビビりなのに、んな事されたら寿命縮んじまうじゃねぇか!!
それに、危うく地面に頭突っ込むところだったんだぞ!?
大して反省の無いような顔をして笑う鹿島の奴を睨み付け、威嚇する。

「ね、ねぇねぇ…!ちょっと気になったんだけどさ…っ」
「ん?どした?佐倉」
「あの、鹿島くん、さっき“真琴ちゃん”って……」
「うん?なぁに、千代ちゃん?」
「いや、名前…」
『…あぁ』

一人混乱したようにテンパる佐倉の様子を見て、納得したらしい様子の#マコがポンと手を突いて一人頷く。
いや、何なんだよ?

『鹿島くんが私の名前を慣れた風に呼んだから、“もしや以前から知り合いだったのか?”って事を訊きたかったんだよ』
「ああ〜、そういう事…!そうだよ〜!!私と真琴ちゃんは、ちょっと前に知り合ったんだよ!ねー、御子柴?」
「おぉ。今日みたいに偶々帰りが一緒になったマコと二人で並んで帰ってたらさ…変に勘違いした鹿島の奴から迫られてな。誤解解く為に紹介したら、それ以来、何でかこうやって食い付いてくるようになったんだよ」
「そ、そうだったんだぁ…!(つまりは、鹿島くんも私と同じように、真琴ちゃんをみこりんの彼女さんか何かかと勘違いしちゃったって訳だよね……っ)」
「いやぁ〜っ、あの時の出逢いは今でも鮮明に思い出せる程の衝撃だったよねぇ〜!」

あはは…っ、と苦笑いを浮かべる佐倉の横でキラキラと顔を輝かせる鹿島。
更に、その横では、常とあまり変わらぬ様子のマコが居た。
…もうちょい反応くらいしろよ、お前は…。
野崎んとこの弟の真由みてぇに動じねぇトコあるから、兄として、この先が心配だぜ…。

「そっか、それで親しそうに話しかけてたんだね。出逢いが衝撃だったってのは、どういう事?」
「あぁ、それは…」
「それはね…彼女との出逢いこそ、運命…即ち、出逢うべくして出逢ったっていう事なのさ……っ!」

佐倉の疑問について俺が説明してやろうとした途端、突然芝居がかった演技で語り出した鹿島。
あぁ…また何か面倒くせぇスイッチ入ったな、コイツ。

「そう、あれは今日のように晴れた日の事…」
『うわ、何か語り出した』
「真琴ちゃん…」

マコの冷めた反応にも気にせず語り始める鹿島。
佐倉じゃなくてもたぶん突っ込むわ。

「偶々、部活も休みで早く帰れるな〜と集まる女の子達を何とか撒いて、一人のんびり帰ってたんだけど…」
「鹿島に群がる女子達か」
「毎度毎度お疲れ様だね…」
「丁度、少し先を歩いて帰る御子柴を見付けて、声かけて駆け寄ろうとしたら、知らない女の子――しかも他校の女の子に声かけて呼びかけながら大きく手ぇ振り出すから、驚いちゃって…!」
「あー、同じ同じ!私もつい驚いちゃったもん!」
「それで、思わず近くの家の壁に隠れて様子を見ていたらね…その女の子が、御子柴の所まで歩いて来るじゃないか…っ!これは、もしや、“御子柴にもとうとう遂に彼女が!?それも他校の女子というハイレベルー!!”って思ったよね!!」
「だから、お前等ん中での俺のイメージどうなってんだよ!?俺だって普通に恋愛するし、仮に他校の女子だったとしても別にハイレベルでも何でもねーわ!!寧ろ、有りがちのレベルだろ!!」
『ミコの普段の扱いが窺えるようだね…』
「ま、まぁまぁ…!鹿島くん、続きどうぞ!」

鹿島のヤツのちょいちょい俺を馬鹿にするようなイラッとくる言葉にツッコミつつ、佐倉の促しにマコとの出逢いの語りの続きを聞く。

「で、暫く隠れながら後を追いつつ、様子を見てたんだけど〜」
「そこは隠れずに堂々としてろよ。普通に歩けよ」
『それで良いのか?ミコは』
「何かやたら親しげに仲良く話してたから、相手はどんな子なのかなぁ〜って気になってきてさ。隠れてる位置からじゃ御子柴が死角になって見えなかったから、よく見えるように御子柴から近い位置まで近付いていった訳なんだけど…」
「うんうん、それで?(どうしよう…今のところ、鹿島くんがただのストーカーか変質者のようにしか思えない…!っていうか、周りに居る人から見たら絶対そう思われてたよ!!)」
「そしたら、その女の子がめちゃくちゃ美人で可愛くてさ…!御子柴と家に帰るまでのデートかもしれないっての忘れて、つい衝動的に動いちゃって〜!」
「…さっきみたいに声かけちゃったって訳…?」
「そうっ!!」
「何でそんな元気良く答えるんだよ…」

誤解された状態で人の話を聞きもしないで進められた会話を思い出した俺は、げんなりと呆れて返した。
隣のマコは相変わらず淡々とした様子で話を聞いていた。

「あの時の感動は凄まじかったよ〜!彼女を見た途端、電撃が走ったような感覚に陥ったもの…!!」
『ソレ、一体どんななんだろうねぇー』
「そして、悟ったよね…!彼女こそ、この世で絶世の可愛さを持つ美女だと…っっっ!!」
「お、オーバー…ッ!」
『ね、普通そう思いますよね?』
「コイツが普通じゃないだけだ、マコ」
「そういう訳で、私と付き合ってください!姫…っ!!」
『丁重にお断りします。というか、私、姫なんて柄じゃないし。そもそも、そういう趣味は無い』

鹿島はまるで劇のワンシーンを演じるように突然地べたに跪くと、王子ばりに告白してきやがった。
そして、即玉砕しフラれた。
どんな茶番だよ…。
顔が盛大な決め顔だっただけに、すげぇ悲しい玉砕の仕方だったけど。
つか此処、普通に人が往来する場所だぞ。
何っつー恥ずかしい事やらかしてんだ。
そもそも、“そういう訳で”ってどういう訳だよ。
意味分からんわ。

「まぁ、理解はしてくれるよな。否定はしない」
『人の趣味なんてそれぞれだし、人の趣味に口出す気なんて更々無い』
「真琴ちゃんって、結構ドライだよね…」
「だが、そこがイイ…ッ!!」

鹿島の変なスイッチがまた入ったのか、マコの冷たい態度に悶えていた。
…そっとしておこう。

「でも、女の子で鹿島くんに靡かないのは珍しいね?学校でもそれ以外のどんな場所でも、基本女の子は皆鹿島くんの事、“格好良いー!”って言って集まってきちゃうのに」
「あー…確かに」
「そういえば、そうだよな?」
『…それ、逆に何で?って疑問なんだけど。逆に、そう毎日飽きずに鹿島くんに引っ付いていく女子達の気持ちが分からない』
「おい、マコ…その台詞、ウチの学校来て言うなよ?全校女子敵に回す事になり兼ねねぇから…」
『いつも思うけど、鹿島くんって学校でどんな風に扱われてんの?』
「え?そりゃあ…」
「「“学園の王子様”」」
「って、言われてるよね!」
『鹿島くんの存在が最早女子じゃない扱い…。それで良いのか、本人さん』

哀れみの視線…というか、何か複雑な思いの込もった視線を鹿島に向けたマコ。
まぁ、それは俺も佐倉も皆が思う事だから…気にすんな。
気にしたら負けだ。

―そんなこんなで、何故か途中から鹿島も交えた帰り道になったのだった。
何か、無駄に疲れたぜ…。
家に帰ったら、早速買ったばっかのゲームでもして癒されよう。

執筆日:2018.08.19

2021/04/13(12:32)

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