小ネタ帳
此処は、お話に昇華出来なかった小ネタや、これからお話に昇華するかもしれないネタ達を書き留めた、所謂ネタ置き場です。主に、管理人の覚え書き処。名前変換物は*で表記。鍵付きについてはインフォページ参照。
▽【望郷の宝箱】
支部投稿企画『秋の音楽会』へ参加及び投稿した作品。テーマは『音楽』。参加タグは『autumnconcert』。普段は二次創作や一次創作の小説を書く事が主だけど、偶に思い付いた言葉を並べて詩を書く事もあるので、今回は詩でチャレンジしてみた次第。
テーマに沿った物として真っ先に思い浮かんだのが、オルゴールで聴いたクラシック音楽の記憶だった故に、記憶の彼方に沈む思い出を拾い上げながら言葉を綴ってみた。
嘗て昔の幼少期時代にて、祖母の家で見付けたオルゴールは、真っ白な陶器で作られた立派な物で、螺子を回すと、盤上で縦型ピアノを弾く青色レースの際立つ綺麗なドレスを身に纏った女性が、音楽に合わせてクルクルと回るのを見るのが好きで、時折手に取っては螺子を回して遊んでいたのを思い出す。
当時の自分は、オルゴールから流れる音楽が、クラシック界隈では有名中の有名曲で、電子ピアノの練習用楽曲にも搭載されているくらい、誰もが一度は耳にした事のある曲だとは知らずに耳を傾けてた。たぶん、あの時の自分の関心が向けられていたのは、曲の方というよりも、オルゴールの音に合わせてクルクル回る綺麗なドレス姿の女性の方だったんだろうな(笑)。
今、思い出しても、白地に金色や青色で彩られたピアノとドレスを身に纏った女性は、陶器製にも関わらず精巧に作られた物だったと思う。特に、青いレース部分が細かく作り込まれていたのが、幼心目に見てもとても綺麗に映って、また、そんな美しい女性がピアノを弾く様を盤上で切り取ったかのようにオルゴールの音に合わせてクルクル回る光景が凄く素敵だった。
残念な事に、今やそのオルゴールは著しい経年劣化等で螺子回しの部分が壊れてしまって音楽を聴く事は愚か、盤上でクルクルと回る様を見る事も出来ないし、あんなにも綺麗で一際目を引いた青いレースのフリル部分が一部欠けてしまったけど……オルゴールから響く音も含めて、思い出の中に仕舞われた懐かしき記憶。
ちなみに、オルゴールから流れていた曲は、クラシックの『エリーゼのために/ベートーヴェン』。曲と一緒に記憶の彼方に眠る姿を検索ワードにポチポチ打ってググってみたら、どうやら加藤工芸作品の一つだった模様。今も、何処かのお家で嘗て見て聴いたオルゴールの音が鳴り響いているのかと思うと、何だか感慨深いね。
後書きを締め括るにあたりまして、素敵な企画を用意してくださったpixiv様には大変感謝致します。
この場をお借りして、改めて御礼申し上げたいと思います。
この度は、素晴らしい企画をご用意してくださり、誠に有難う御座います。
▼以下、本文。
◇◆◇◆◇◆◇◆
ジーコ、ジーコ、回すよ螺子回し。
嘗て昔大好きだった、あの音楽を再び聴く為に。
壊さないように気を付けながら、ジーコ、ジーコ、螺子を回す。
やがて耳に響くは、懐古のオルゴール音。
音楽と共に回り出す、盤上でピアノを弾く青色のレースフリルのドレスを身に纏う美しき女性。
クルクル、クルクル。
螺子を回した分だけ、音楽は鳴り響く。
幼心に目に焼き付いたその光景は、今でもキラキラと宝物のように輝きを放っている。
ジーコ、ジーコ、飽きずに回した螺子回し。
そして、回した分だけ、クルクル、盤上で回る綺麗なピアノを弾くドレス姿の女性。
飽きるまで、何度も繰り返し螺子を回しては見て聴いた。
手元にあった其れは、気付けば壊れてしまったけれど、今も何処かのお家で嘗ての自分と同じように螺子を回しては、クルクル回る様を眺めながら聴いているのだろう。
その度に、聴こえ来る螺子回しの音。
壊さないように気を付けながら、ジーコ、ジーコ、螺子を回す。
やがて耳に響くは、懐古のオルゴール音。
クルクル、クルクル。
音楽と共に回り出す、盤上でピアノを弾く綺麗なドレスを身に纏った女性。
クルクル、クルクル。
ジーコ、ジーコ。
今も耳の奥で鳴り響いているよ。
※原文メモ日:2025.07.01。
※執筆日:2025.10.27。
※加筆修正日:2025.10.31。
※初出日:2025.10.31。
※公開日:2026.02.23。
2026/02/23(09:55)
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