ひだまりの夢

時はトリップ後…アルスラーンが王となり、国や政治諸々が安定し、平和となっていた。

ヒルメスとは別れ、ダリューンと付き合い始めて婚約を結び、もう一年が経とうとしている頃だった。

午後の暖かさに微睡んでいると、ラルは夢を見たのだった。

それは、ダリューンとの間に子供が出来て、微笑み合う、温かな家庭を築いている…そんな夢だ。

現実的にもありそうな夢に、素敵な夢だと思い、無意識に微笑む口許。

微睡みの夢から覚めると、愛しき夫のダリューンが優しげな笑みを浮かべて隣で寄り添っていた。


「よく眠れたか…?」
『えぇ…。何時から隣に…?』
「少し前からだ。よく眠っていたから、起こさないでいたんだ。随分と気持ち良さそうに寝ていたぞ…?」
『ふふ…っ。そりゃあ、こんなに心地の好い日差しと暖かさなんですもの。微睡まずにはいられないわ。』
「そうか…。確かに、此処は気持ちが良いな。それにしても…大層幸せそうな寝顔をしていたが、何か良い夢でも見たのか…?」
『ふふふっ、ちょっとね…?』
「何だ、教えてくれないのか?」
『知りたい…?』
「勿論だとも。お前がそんなに幸せそうな笑みを浮かべて眠る程の夢とは、一体どんな夢だったんだ…?」
『…じゃあ、教えてあげる…っ。』


穏やかな雰囲気で先を促す彼に、ラルはクスクスと笑みながらこそ…っ、と耳元に唇を寄せて言った。


『実はね…?私とダリューンの子供が出来て、原っぱで一緒に遊んだりしてて、あったかい家庭を築いてるような夢だったの。』
「え……………?」


夢の事を話すと、一瞬驚いた表情をしたダリューン。

そんな彼を、彼女は「ふふふ…っ。」と嬉しそうに笑って見つめた。

次の瞬間、嬉しそうにはにかむと、彼は愛しき妻であるラルを優しいけれどその身に強く抱き締めたのだった。


執筆日:2018.03.25
加筆修正日:2019.07.09
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