
豪華絢爛生娘
彼の酒好きな大男には、歳が離れた妹が居る。当の昔に三十路を迎えてはいるが、未だに未婚の妹だ。
兄に似てか、性格は豪快且つさっぱりしている。
女ながらに剣や薙刀を取り、男に混じって戦いに挑む。
自分をあまり女とは思っていないそうだ。
故に、恋などというものには疎く、鈍感で気付かない。
更に言えば、周りに居る物好きな変わり者の男共に好かれているのだが、その者共に好奇の目で見られていても見向きもしないのだ。
『どうせ、男共に混じって剣を振るう女が珍しいのだろう。』
という程度の認識でいる。
実は、兄クバードと何時も喧嘩腰でいがみ合っているシャプールは、ユニヴァナードに密かに好意を抱いていた。
兄であるクバードから、“可愛い俺の妹だ”と紹介されたその日から、彼は彼女を好いている。
そして、兄クバードも。
「こんな妹だが…早く誰ぞ良い所に嫁として貰われ、納まるところに納まって欲しいんだがなぁ〜…。」
と思っている。
だが、当人へそんな話をすれば、決まって返ってくるのは。
『私を貰ってくれる物好きな奴が、そう簡単に居るのか…?というか、私は嫁と言うよりは婿の方だと思うのだが。』
しかしながら、意外にも意外で…。
最終的には、シャプールのところに程好く納まったのであった。
初めて女として扱われた結果か、豪快さが薄まり、少し淑やかになったユニヴァナードだった。
「ユニヴァナード…!こ、此れを其方へ贈る…っ!」
『おや、私に…?此れは此れは、綺麗な布ですね。有難うございます。今度、この布で新しい服を仕立ててもらいましょうかね。』
「嗚呼…、其方によく似合う色と柄だろうな…。」
『ふふ……っ。有難うございます、シャプール殿。』
「………俺の妹ながら、代わり映えし過ぎじゃなかろうか、我が妹よ…。」
ちょっぴり複雑な面持ちの兄であった。
執筆日:2017.04.03
加筆修正日:2019.07.09
加筆修正日:2019.07.09