男らしさ



出掛け先で雨に降られたが、何とか軽く濡れた程度で済んだリアは、泊まっているホテルへと帰宅した。

体して濡れずに済んだ事にホッと息を吐きながら、ガチャリと宿泊する部屋のドアを開けると、飛び込んできた光景にリアは驚愕し目を見開いた。


『ただいまぁ〜…って、うわぁ…っ!?』
「あ、おかえり、リア。驚かせちゃった…?ごめんね。」
『いや…それは別に良いんだけど…どうしたの?上半身裸で…。』
「俺も、少し前に帰ってきたんだけど…降られちゃって。傘は持ってなかったし、どっかで雨宿りしようかとも考えたんだけど…ホテルまで近かったから、走って帰ってきちゃった。おかげでずぶ濡れになっちゃったよ。」
『あぁ…だから、着替えてたのか…。帰っていきなり裸なんて目に入ったから、吃驚した…。』


十二歳という幼さなのに、ハンターとして鍛えられた身体は、其処らに居る普通の子供達よりも体格は良く…。

それはそれは、見るからに男らしい体躯だった。

まだ子供とはいえ、立派な筋肉だ。

思わず見とれていると、ゴンが不思議に思い、声をかけてきた。


「どうしたの?リア…。俺の事見つめて…。」
『へ…っ?ああっ、ごっ、ごめん…!!思ってたよりも筋肉質で、男らしい身体してたんだなぁとか思っちゃって…。って、あ、別に、変な意味とかじゃないよ?ほら…私女だから、普通に考えてお風呂は別々でしょ…?だから、ゴンが服脱いでるとこなんて、滅多に見ないし。タンクトップ姿はよく見るけど…。思い切り脱いじゃってるとこは見ないからさ、見慣れなくて…。』


何だかドキドキしてしまい、変にしどろもどろになるリア。

顔は自然と赤らみ、段々と熱を持ち始める。


「確かにそうだよね。リアは、あんまり俺が上半身脱いでるところとか、見た事無かったかもね。キルアは一緒に修行してるから、よく見てて慣れてるだろうけど。」


格好良くて、直視出来ずに視線を逸らしていると、雨で濡れたせいで珍しく逆立っていない髪の毛で、さらには上半身裸に水も滴る良い男状態でゴンは近寄ってきた。


「リア、顔真っ赤だよ…?大丈夫?」
『だっ、大丈夫だから!気にしないで…!?』
「え…?でも、ほっぺ熱いよ…?熱あるんじゃない?」
『近い近い近い…っ!!』


相手の吐息が掛かる程の距離に目をぎゅっと瞑ると、ゴンが小さく笑った気がした。

そして、次の瞬間、額に柔らかい感触が…。


「もしかして、俺の事、男として意識してくれた…?いつも、子供としてしか見てもらえてないみたいだったから…嬉しいな。ねぇ…、今だけは、リアにとっての男として居ても良い…?」
『わ、分かったから…!近い…!あ、あとっ、早く何か着てください…っ。風邪引くよ…!!』
「あはっ、そうだったね!早いとこ着替えちゃおっと。」


にこやかに笑ったゴンは、首から掛けていたタオルで髪を拭く為、一度、リアから離れていった。

まさかの十二歳とは思えない男らしさに、ひたすら脱帽するリアだった。


「ねぇ、リア…。雨で少し冷えちゃったから、ちょっとだけの間、くっついてても良いかな…?」
『え………っ?』


ソファーに落ち着いて寛ごうとしていた時の台詞であった。

恐るべし、あざとさ、ショタである。


執筆日:2016.12.17