レジェンズ
さいさい

2023/01/24 07:59

茶が有名な村落で働く茶摘み娘。
元々村の前に捨てられていた孤児で、村長夫婦に拾われ大事に大事に育てられる。その恩を返したいと毎日雨の日も日照りの日も茶の世話をしている。

さざれなみ達がやってきて村の真実を知り、茶畑を燃やして共に逃げるなんて誰が思っただろう。

その村では高級品の茶葉を富豪に供給し繁栄していた。またそれとは別に「お茶の子」と呼ばれる娘や少年を売買していた。
「お茶の子」とは小さい頃から茶に触れ、茶を飲み茶の風呂に漬かる事で茶葉の匂いと体臭が混ざり甘い匂いを醸し出す少年少女らの事でバレぬよう暗にそう呼ばれた。
富豪らは物珍しさに年端の行かない彼らを慰み者に買っていった。
この秘密がバレてはならないから一晩だけ売る、と言ったようなことはせず、養子に貰われていった、侍女としてお金持ちに雇われていった、などと後に残された子には嘘をつき、実際は性的な消費をされ、匂いのしなくなった者は犬の餌にでもされれば良い方だった。
村の若い衆にはこの秘密は聞かされておらず、年寄り衆のみで共有し、この村のシステムを作っていた。
さいさいも実際は村にいる夫婦の子であったが、親子の情などでさいさいがお茶の子として富豪に買われていくのを拒まれるようであっては困る、と夫婦には死産だったと伝え、さいさいは村の前に孤児として置かれた。

さいさいの住む村落にさざれなみたちが訪れた際、耳の良いこごんや空を漂えるえんえんらがたまたまこの悪事を耳にしさいさいに伝えるに至った。
勿論さいさいは最初信じる事などしなかったが、実際に売り買いされている現場を目の当たりにし、さざれなみらの助けを借り村から逃げる事となった。

お茶の子として村長自ら育てるほどの有望な整った顔立ちと甘い香りで、まだ幼さが残るながらも並の人間であればつい目で追ってしまうような雰囲気を纏っている。

村には老人が多く、彼らに代わって茶畑を世話していた為しっかり者な性格。
さざれなみ達と出会った時は彼らが若く壮健な男連中ばかりで困惑した。
なぜなら村には若い男が殆ど居らず、いるとしたら少年くらい幼いか、またその少年らも女の子と見まごうような見目をしている者ばかりだった為である。
一緒に旅をするようになっても事ある毎に彼らの顔をじっと見てしまう。
周囲は美少女美少年ばかりだった為に自身の顔に無頓着。

「違うの、それくらいの歳の男が周りにいなかっただけだから!別にちょっと顔が良いくらいでいい気になるな!」
「お茶を淹れるのは得意なのよ、じ様にも良く褒められたもの…」
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