「は?新型トリオン兵?」
「迅さんが見つけたらしい」
「さすが実力派エリート(笑)」
その新型トリオン兵は数が多い割に弱いらしくボーダーの戦闘員総出で片付けることに。
「非番なのになー!!!」
「まぁいいじゃねーか」
「うわ、迅さん」
「うわってなんだよ」
「迅さんが新型トリオン兵なんか見つけるから」
「見つけないとイレギュラーゲート開きまくりだったろ?」
どうやら、その新型トリオン兵は周りの人間からトリオンを取り込みゲートを開いていたみたいだ。
つまり、トリオンが多い奴が近くにいるとゲートも開きやすいということになる。
たまたま、非番のボーダー隊員がいたんじゃなくてボーダー隊員がそこにいたからゲートが開いたっていうことだ。
「まあ、菊地原のクレープ食べに行ったときにそこでゲート開いた時は殺意覚えましたけど」
「あはは」
新型トリオン兵は小さくて、ちょこまか動くのでスコーピオンで指した方が楽だ。
「よし、終了!」
「ありがとな、朔」
「もういいですよ。あ、今日玉狛行っていいですか?」
「なんで?」
「玉狛でレイジさんのご飯が食べたいです」
「それは俺じゃなくてレイジさんに言ったほうがいいんじゃないか?」
「それもそうですね。分かりました!」
「俺はこの後用事あるから先に玉狛に行ってていいよ」
「そんな事言われなくても、元々迅さんとは別行動してました」
「え……?」
レイジさんに連絡すると、快く了承されたのでいざ玉狛へレッツゴー!
「あ、どら焼き買っていこうかな」
玉狛の人けっこう好きな人いたよね。
「お邪魔するのに手土産ナシは駄目だよな」
迅さんのは栗入りにしてやろ。
今日の頑張ったで賞ってことで。
「お邪魔しまーす」
「あ、朔!」
「桐絵ちゃん久しぶり」
「久しぶり!朔なんで来たの?」
「レイジさんのご飯が食べたくて」
「そっか!あ、それお土産?」
「うん。どら焼き」
「どら焼き!!」
「どら焼きと聞いて!!」
「あ、陽太郎久しぶり」
「久しぶりだな、朔」
カピバラの雷神丸に乗って来たのが林道陽太郎。
6歳なのに難しい言葉を使ったりする少しおませさんだ。
「どら焼き買ってきたから食後にみんなで食べよっか」
「こ、これはこの前テレビで紹介されたところのやつ……!!」
陽太郎の目がキラキラしてる。
これは買ってきて正解だな。
「おい。そろそろご飯できるぞ」
「あ、レイジさん!」
「もう出来るから適当に座ってろ」
「ありがとうございます!」
匂い的に今日は和食かな?
「今日は肉じゃがと、小松菜のお浸し、それに豆腐の味噌汁だ」
「うわぁ……さすがレイジさん」
全部美味しそう。
「今日は朔も来てるのよ!」
「だからって押さないでください」
桐絵ちゃんに背中を押されて部屋に入ってきた烏丸。
相変わらず、表情の起伏はないのにイケメンだ。
「あ、烏丸今来たの?」
「バイトだったんで」
「なるほど……」
烏丸がバイトしてるところは、いつも女性がたくさんいる。
この前、出水と米屋と一緒に烏丸がバイトしてるところに行ったら女性という女性で溢れかえっていて吃驚した。
烏丸モテすぎだろ……!
出水と米屋は、からかい半分で店に行ったのにからかえない雰囲気で気まずそうだった。
「これ、店でお客さんに貰ったんすけど、食べます?」
「え、シュークリーム?」
烏丸が持っていた箱の中にはシュークリームが2つ入っていた。
「家に持って帰った方が良くない?烏丸が食べないんだったら兄弟にあげた方がいいよ」
「うち兄弟多いんで、この数じゃ喧嘩になりますし」
「とりまるもこう言ってる事だし貰っちゃいましょうよ!」
「それもそっか。ありがとう烏丸」
本当は烏丸に食べて欲しくて買ったであろう女の子よ。
あんな鈍感男に渡すのが悪い。
「なんでこんなにレイジさんのご飯は美味しいんだろう」
「レイジさんだからでしょう」
「それな!」
さすが完璧万能手(パーフェクトオールラウンダー)。
「おー、うまそうな匂いしてんじゃん」
「あ、迅さんおかえりなさい」
「ただいま」
「食後のデザートあるから早く食べよ」
「お、マジで?」
「ぼんち揚げじゃないけどね」
「食後のデザートにまでぼんち推さないよ」
「絶対嘘だ」
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