「ひーまーだーよー」
「弾バカいねぇとやっぱなー」
「本当それ」

出水いないと米屋も私もなんかやる気出ない。

「と思うじゃん?」
「あ、出た。米屋の『と思うじゃん?』攻撃」
「俺任務あるんだわ」
「なにそれ、私には言えない任務?」
「そうでもないけどな。でも、城戸さん直々の命令なんだわ」
「なるほどね」
「朔ちゃんは忍田さん派って知ってるけどさ」
「忍田さん派閥っていうか、私あの人の姪だから」
「だよなー」
「で、何してんの」
「人型近界民の追跡」
「人型!?」

え、なんで?
人型ってやばくない?

「それ普通にやばいやつでしょ」
「そうなんだよなぁ。人型近界民はやばいだろ」
「やばいがゲシュタルト崩壊してるな」
「でも俺は人型と戦いたいだけだから」
「うっわ。さすが戦闘狂」

出水も同じこと言いそう。
いや、それよりも太刀川さんのがテンション上がるだろうな。
あの人、人型近界民が侵攻してきて欲しいとかキチガイみたいなこと言うし。
人型近界民と戦うために遠征に行ったのがよかったのか。
それとも待ってたら人型近界民がこっちに来たのがよかったのか。

「太刀川さん以上の戦闘狂はいねーよ」
「それな」
「あの人戦うために生まれてきただろ」
「お腹に知識の全てを置いてきた人だから」
「太刀川さんパソコン使えないってマジ?」
「そうだよ。そもそも、パソコン使えないのにレポート書こうとすることが愚行だってことにいい加減気づいて欲しい」
「あ、朔ちゃんは太刀川さんのレポート手伝ってるんだっけ」
「そうだよ。毎回手伝うこっちの身にもなってほしい」

おかげで全然興味無いことに詳しくなった。

「そもそも、なんで太刀川さんが大学に通ったんだろ」
「ボーダーのコネかな」
「ボーダー強い……」

太刀川さんみたいな人が大学にいけるなら当真さんもいけるんじゃねっていう。

「太刀川さんがいけるなら世の中の人は浪人しないだろうにね」
「世の中は不公平だな……」

dangerをダンガーって呼んだ人が大学の試験通る世の中ってヤバいと思う。

「明日追跡するんだー」
「軽っ」
「どんな奴かは朔ちゃんには教えるわ」
「お、おう」

三輪とか大丈夫かな。
ただでさえ近界民のことが憎くて仕方ないのに。

「憎しみで戦うなとは言わないけど、公私混同はどうなの?」
「朔ちゃんみたいに憎しみを消化できない人間もいるんじゃないの」
「それは理解してるけど」
「それに三輪って俺らみたいに戦闘狂なわけじゃないじゃん?」
「俺らって、私も入ってる?」
「え?逆になんで入ってないと思った?」
「いやいや、出水と米屋は分かるけど私は戦闘狂ではない」
「仮想フィールドになった途端メテオラ容赦なく撃ちまくるのはどこのどいつだ」
「出水と私と二宮さんだな」



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