「朔、模試の結果どうだった?」
「あー英語以外はまずまずってところ」
「英語は相変わらず7割あるのか……」
「私、英語だけは強い」
「他も5割は取れてるんだろ?なんで朔はうちの学校受けなかったんだ?」
「大学に行くつもりないからかな」
「なるほど……ってそれ本当か?」
「まぁね」
「朔の成績なら三門市の大学に行けるだろ」
「って学校の先生にも言われたなぁ」

進学させたいのか、この前は進路指導部の先生も交えての三者面談でした。
圧迫面談とはあのことだと思います。

「でも、普通校の文化祭とか楽しいよ」
「それは、うん。楽しそうだった」
「今年は焼きそばの屋台出した」
「米屋が焼いたんだっけ」
「米屋が焼く係で、出水と私は宣伝係だった」
「宣伝って何するの」
「屋台の目の前で焼きたての焼きそばでーす。とか言ったりとか。あ、他の子は漫才してた」
「自由だな」
「いやいや、それが焼きそばをテーマにした漫才を作りこんでいてね」

あれはすごかった。
面白かったし、ネタの作りこんでる感がひしひしと伝わってきていた。

「新之助の学校は文化祭という名の合唱コンクールだっけ?」
「それ。毎日放課後練習しなくちゃいけないからつらい」
「新之助、女の子が指揮だったらどうするの」
「見ない」
「見ない(笑)」

それ、どうやってみんなと合わせるんだ。

「というか、俺のクラスは男に目立ちたがりが多いから指揮は男がやってくれる」
「それはクラスの子に救われてるよ」
「万一女の子が指揮になったらもう口パクしかない」
「極端すぎる」

堂々のサボり宣言。

「お、辻と朔じゃん」
「やっほー米屋」

米屋が1人でいるとか珍しいな。

「2人で何の話してんの?」
「文化祭の話」
「あ、俺ら今年焼きそばやったよな」
「それさっき聞いた」
「辻冷てぇ」
「今、新之助の学校の文化祭の話してたの」
「あー、名ばかりの合唱コンクールな」
「米屋は女の子が指揮だったらどうする?」
「指揮棒を見るという理由があるから見つめる」
「米屋の目で見つめられたら女の子が震えあがるな」
「は?」
「太刀川さんの目で見つめられるのと同じ気分だろ」
「うっわ。俺、太刀川さんと一緒?」
「それを言うなら新之助もだよ」
「えっ」
「2人とも目が死んでる」
「朔ちゃんひどい」
「米屋と一緒にするな」
「じゃあ奈良坂」
「「許す」」
「人選の問題かよ」


あとがき
私の学校は文化祭とは名ばかりの展示会みたいな感じでした。
ほかの学校は屋台とか出してて楽しそうだなぁと思ったことがあります。
みなさんの学校の文化祭はどうでしたでしょうか。




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