「米屋はさあ」
「なに?」
「なんでカチューシャしてんの?女装願望とかあったりする?」
「ブハッ、そりゃねーだろ。朔ちゃんよぉ」
「いや、なんでかなぁって思って」
「ただ単に前髪留めてるだけだからw」

あ、出水がまたシュート決めた。
他のクラスの女子が凄くキャーキャー言ってる。
テレビで見る嵐山隊みたいだ。

「この前出水と米屋のことクラスの女子から色々聞かれたんだわ」
「え、なんて聞かれたの?」
「出水くんと米屋くんは如月さんの従者かなんかですか?って」
「そこ、フツーは出水くんと米屋くんは彼女とかいるの?だろ」
「それも聞かれたかも」
「え、朔ちゃんなんて答えたの」
「彼女がいたら私と一緒にいないよねって言っといた」
「グッジョブ朔ちゃん……!」
「でも、その後出水くんと米屋くんの意気地なし……!って言いながら走って逃げられたよ?」
「その女子なんか勘違いしてねーか?」
「さぁ?」

米屋次試合だぞ!とチームの子に声をかけられた米屋。
あ、忘れてたなアイツ。

「しゃーねえ。行ってくるわ」
「おー。ハットトリック期待してんぞ」
「バスケにハットトリックはねぇっつーのw」

そんなこと知ってるし!!
ノリだよノリ。

「出水お疲れ〜」
「おー」
「大活躍だったじゃん」
「見た?俺のスーパーシュート」
「見た見た。あれだよね、3Pライン近くのシュート」
「そう、あれ!」
「あれで出水のファンが更に増えたな」
「マジかよ。またモテちゃうな」

と、ドヤ顔。
そういうところがモテないんだよ。
奈良坂とか辻とか烏丸とか隠岐を見習え。

「三輪はなんでモテないのか」
「とりあえず威嚇するからじゃね?」
「近界民とか人間とか言う前にとりあえず目つき怖いもんね」
「それな」
「女子がビビって声かけられないよね」
「俺は声かけやすいのになんで誰も声かけてくれないんだろうか!」
「顔じゃね?」
「俺も京介みたいなイケメンになりたかった!」
「高望みしすぎだよ」
「クソッ……!」

烏丸は誰もが認めるイケメンである。
たぶんうちの学校でイケメンコンテストみたいなのやったらぶっちぎりで優勝するくらい顔が整っている。
嵐山隊の嵐山さんの隣に立っても引けを取らないイケメンさ。
奴は本物である。

「米屋頑張れー」
「槍バカ負けたらジュース奢れよー」
「出水ナイスアイデア!」

相手にバスケ部2人いるのに嘘だろ!!と叫ぶ米屋は放っとく。
ドンマイ米屋。

「あーあ、出水なんであんなこと言うかな」
「でも、最後まで面白い勝負だったぜ」
「面白かったけど、相手のバスケ部も本気出しすぎでしょ」
「それな!?素人相手に本気になりすぎだよな!」
「ま、でも負けたもんは負けたっつーことで槍バカよろしく!」
「げぇぇぇ」
「私レモンティーがいい!」
「俺サイダー」
「くそ、次は弾バカに奢らせる!!」



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