「……どっちがいいか」
「蒼也くん何してるの?」

と、聞いてしまった少し前の私を殴りたい。

「ナース服とセーラー服どっちがいい?」
「蒼也くん着るの?」
「なわけないだろ」

ですよねぇ。
知ってた。

「真愛はどっちが着たい?」
「どっちも無理」
「駄目だ」
「はっ!?」
「断れば、この前のメイド服の写真を拡散するだけだが」
「喜んで着させていただきます……」

この前のだけはやめてくれ。
丈が短くて、パンツ見えそうだった。
成人してまで、パンツ丸見えとか恥ずかしくて無理。

「制服は嫌だ。21歳にもなって制服着たくないよ」
「真愛なら似合うぞ」
「その褒め言葉は嬉しくないね」

むしろ蒼也君の方が制服が似合うだろう、ってのは心に留めておく。
言ったらマニアックなプレイされるに違いない。
私は前の失敗から学ぶ女なのだ。

「じゃあナース服だな」
「うん、もうなんでもいいよ……」
「これ着てお医者さんプレイ」

さっきの言葉を言っても言わなくても、マニアックなプレイさせられる!!

「い、嫌だ。そんなことしてほしいならイメクラでもなんでも行けばいいじゃん」
「俺が行けると思うか?」
「……すみませんでした」

蒼也くん、懇意にしてる後輩に高校生に間違われたって言ってた。
身長が小さいのもあるけど、蒼也くんは童顔だからなぁ。

「というか、お医者さんって蒼也くんじゃないの?」
「そうだが」
「蒼也くんのは?」
「大学で使ってる白衣がある」
「んんん、準備いいね」
「ちなみに、制服だと俺が家庭教師役だ」

その情報は別に要らなかったかな。

「……とりあえず着替えるわ」

その後、私は蒼也くんに美味しくいただかれた。
どれだけ抵抗していても、惚れた弱み。
普段は私優先で優しい蒼也くんのワガママを聞いてやりたいと思う私がいるのも事実だった。
でも、いい加減コスプレに飽きてくれないだろうか。

お題配布元.確かに恋だった
『変態がエスカレートしました5題』




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