「柚宇さんはやっぱりいいよなぁ」
「それな」
「何の話してるの?」
「おっぱい」
「死ね」

みんな胸、胸、胸って。

「なんでそんなに怒ってんだよ」
「ほら、真愛この前サッカー部の奴に振られたから」

と、米屋が言う。

「えっ、なんで?」
「おっぱいないから新しい彼女作られたんだって」
「マジかよ」
「わ、私が振られたことなんで知ってんの!?」

この前別れたばっかりなのに。

「サッカー部の奴が言ってた」
「アイツ殺す」

元カレだからって慈悲はない。
もう他人だ。

「第一、胸で振られたんじゃないんですぅ」
「え、あいつの新しい彼女めっちゃ巨乳じゃん」

うるせぇ、知ってるよ!!
両手で掴めないくらいたわわに実ったおっぱい携えた美人ですよ!!

「つか、もっと他を見てよ」
「どこ?」
「絶対、私は可愛い」
「うわ、自分で言う?」
「もうこの際、自分でアピールしていくしかない」
「笑える」
「米屋にだけは笑われたくない」

あと、私料理が上手いし!
元カレにはメシマズの嫁しか貰えない呪いかけてっから!!
そのとき気づけばいいんだ!!
私にしとけばよかったなってな!
まぁ、私はもう好きじゃないけど。
せいぜい後悔しやがれ。

「東さんは着物が似合ういい体型だなって言ってくれたもん」
「それ、褒めるとこなかったから苦肉の策のソレだろ」
「ぐっ。あと、東さんは脚派って言ってた」
「絶対嘘だな」
「男はみんな胸だ」
「おっぱいには夢が詰まってるからな」
「男のロマン」
「それな」

がっちり手を握りあうバカコンビ。
トリオン体になってからコイツらの顔面殴りたい。

「お、真愛」
「東さんこんにちは!」
「こんにちは。今日も綺麗な髪だな。天使の輪っか見えるよ」
「本当ですか?」

髪の毛綺麗にしててよかった!

「嘘言っても仕方ないだろ。じゃあな。また一緒に喫茶店でも行こう」
「は、はい!」

ほら、違うところ見てくれる人いるじゃん。
もう東さんと付き合いたい!!

(東さんのアレ口説いてね?)
(100%口説いてる)
(俺は何も聞いてない、聞いてない)




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