「真愛」
「ひゃあ！！迅さんだから、それやめてくださいって言ってるじゃないですか！」
「それ？」
「お尻触るのやめてください！！」
「いやぁ、これ俺の日課だし」
「そんなのが日課っておかしいです」
「それに、これはセクハラじゃなくてスキンシップなんだよ？」
「そんなわけないじゃないですか……！！」

なんで、こうも懲りずにこの人はお尻触ってくるんだろう。
嫌なら強く言った方がいいよ、と歌歩ちゃんに言われた。
言ってるよ！！！
強く言ってるのに聞いちゃくれない！！

「じゃあ、俺は忍田さんと話あるからもう行くわ」
「一生顔見せないでください……」
「まぁまぁそう言うなって」

迅さんかっこいいし、優しいからモテるだろうに。
なんで、お尻触ってくるんだろう。

「好きなんじゃない？」
「それはない」
「なんでそんなに否定するのよ」
「あの迅さんが？私のことを好き？勘違いも甚だしいよ」
「そんなことないと思うけどなぁ」
「だって、嫌だって言ってるのにお尻触ってくるし」
「迅さん小学生みたいだね」
「小学生？」
「好きな子いじめちゃうタイプ」
「みんなに優しいのに、好きな子はいじめるの？訳わかんない」
「まぁ、小学生はそんなものなんだよ」
「それと迅さんを同レベルにしたら可哀想」

相談に乗ってもらった歌歩ちゃんには悪い事をしたな。
全く原因が解明しなかった。

「真愛見ーっけ」
「ひょわぁっ！！」

まただ！！

「迅さん！！」
「今日もいい反応だね、真愛」

それ、いい笑顔で言う言葉じゃない。

「じゃあ……私がいちいち反応しなかったらやめてくれるんですか？」
「まぁ、止めるかもしれないし、止めないかもしれないな」

最悪。
じゃあ、私にはどうすることも出来ないってことじゃん。
……そういえば、歌歩ちゃんがなんか言ってたな。
どうしても、と思ったら言えばいいよって教えてくれた。

「迅さんって私の事好きなんですか」

言ってしまった。
自意識過剰と思われてもいい、どうしてやめてほしいと思ったら言ってね、と歌歩ちゃんは言った。
こんなすぐに言うことになるとは思わなかったけど。
私も、もう我慢の限界だ。

「ばっ、それ誰から聞いた……！？」

あれ。
おかしいぞ。

「誰からって？」
「超絶鈍い真愛が気づくはずないだろ」
「え、まさか」

本当に、私のこと好きだったの？

と、迅さんに聞くと、更に迅さんの顔が真っ赤になる。

「ハッパかけたのか……くそ、読み逃した」
「えっ、本当に？」
「本当。真愛、全然気づかなかっただろ」
「嫌がらせされてたから……」
「い、嫌がらせと思ってたのか」
「だって何回も嫌だって言いました」
「嫌よ嫌よも好きのうちって言うだろ」
「本気で嫌だったんです」
「……そっか」

少し、シュンとなる迅さん。

「好きなら普通に話してくださいよ。セクハラとか無しで」

きっと、迅さんのいいところたくさん探せると思うから。

「まぁ、付き合ったら合法だもんな」

ニヤリと笑う迅さん。
なんか不穏な言葉が聞こえたけど、あえてスルーだ。

「付き合ってもセクハラはセクハラですから！！」

やっぱり私と迅さんが付き合う未来はまだまだ先なんだと思います。


お題配布元．確かに恋だった様
『変態に恋されてしまいました5題』





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