私は背が小さい。
小学生の時から、背の順で並んでも一番前だった。
不動の一番だと友達に言われていたし、高校に入ってからも相変わらず背は低いし、顔が童顔なので友達からのあだ名は合法ロリだ。
未だに高校の生徒証明書を提示すると驚かれるし、なんなら生徒証明書を提示しなければ映画なんかは小学生料金で見れることもあるくらいだ。
だから、女の子の友達にはいつも

「ちっちゃくて可愛い」

としか言われたことがない。
私だって大人っぽいって言われたいわ!!
未だに大型ショッピングモールの子供服売り場の服が着れることが悲しくて仕方ない。
私だって、普通に買い物したい。
だから、私が普段からお世話になるのはユ〇クロさんだ。
こんな私だからボーダーに入っても

「お兄ちゃんか、お姉ちゃん探してるの?」

と、同級生っぽい人に聞かれたり、防衛任務で

「小学生までこんな危険なことをさせてるんですか!!」

って一般の人から苦情が来たりした。
私、高校生だから!!

「ってな訳ですよ」
「ふーん。だから、お前ナイチチなのか」
「幼児体型なんで」
「そっかそっか。じゃあ育てればいいな!」

俺めちゃくちゃいいこと言った!と言わんばかりの顔。
いやいや、育てるもなにも。
なんで、触ってんですか。

「こっちも揉み心地悪いし、触ってても全く動じてない真愛に俺は少々驚いてるよ」

と、太刀川さんが言う。

「AVでももう少し感じてるぞ」
「太刀川さんが見るようなのと一緒にして欲しくないです」

というか、近いんですけど!!
太刀川さんに後ろから抱きしめられるように座ってて、太刀川さんの手は私の絶壁みたいな胸にある。
これ、傍から見たら太刀川さん犯罪者じゃね?

「というか、この前太刀川さんの家掃除してた時に海外モノのそういうやつ出てきました」
「えっ」
「で、胸大きかったの腹立つんで割っときました」
「それ諏訪さんから借りたヤツ!!」

諏訪さんの性癖バラすとか可哀想。
今度から諏訪さんのこと、そういう目でしか見れないじゃないですか。

「まぁ、女は胸だけじゃねーよ」
「……本当ですか?」

この人に言われても、なんの説得力もない。

「太刀川さんは胸が大きな女性が好きですよね?」

というか、世間一般ではないよりあった方がいいって思ってる人が多いですよね?

「まぁ、あるに越したことはないけど」
「そうですね。じゃあ離れてください」
「なんで!!?」
「くっつかれたら変態が移ります」
「そんな病気持ちみたいに言うなよ」

と言ってガッチリフルガードされてしまった。

「ここがボーダー内の太刀川さんのとこの隊室だからいいものの、外で私たちが一緒にいると警察呼ばれますよ」
「うっ」

ちなみに諏訪さんは1回補導された。
私が高校の生徒証明書を見せると、大事にはならなかったが、あれは結構悲しい出来事だった。

「というか、さっきから気になってたんですけど」
「なに?」
「背中に硬いのがずっと当たってます」
「……」
「無言やめてください。というか、ホントマジで離れて!!」
「今、真愛離したら俺は変態確定だろ!!」
「今更何言ってるんですか!?」

力勝負では、合法ロリは勝てない。
かくなる上は

「柚宇ちゃんタスケテー!!」
「あ、おま国近呼ぶとかズルい!」
「変態に抱きつかれてるよー」
「真愛ちゃん呼んだ!?」
「国近早っ」
「太刀川さん、変態が移るんで真愛から離れてください」
「さっきからなんだよ、変態って移るのか!?」
「太刀川さんくらいになると移ります」
「なにそれ!!」

お題配布元.確かに恋だった
『変態に恋されてしまいました5題』




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