「なんで、私ら会議室に集められてんの?」
「なんでだろうな」
「だってメンツ的に言えば、俺らの共通点って同い年なことぐらいじゃね?」
「あー」
「え、でも同い年って言ったら歌歩ちゃんとかオペレーター組はいないし、くまちゃんと玲ちゃんもいないじゃん」
「朔以外は男だけってのもなぁ」
「本当、何でだろうな」
謎は深まるばかりである。
「米屋と出水は呼び出しとかありえるけど、俺達はまず関係ないだろ」
と、奈良坂が言う。
「それな」
「俺ら、太刀川さんよりマシだから!」
「ド底辺と比べるとか(笑)」
「つーか、この空間の顔面偏差値やばいな」
それ思った!
つか、今思ったけど若村いなくね?
「隠岐と奈良坂がいるからだろ?」
「辻も結構上げてるって」
と出水が言うと、
「いや、俺BBFで平均より少しモテるくらいだから」
と、遠い目をする新之助。
「メタ発言(笑)」
隠岐笑いすぎ。
新之助の発言は確かにメタいけども!!
「俺はそもそも情報があらへんしな」
「だからメタ発言やめろって」
「さすが朔ちゃんやで。ナイスツッコミ!」
「関西ばりのツッコミだな」
「全然そんなことないから!!」
この空気どうにかしてくれ、と思っていたら会議室のドアが開いて城戸さんと根付さんが入ってきた。
「なんで根付さん?」
「なんでだろうね?」
「君たちに集まってもらったのは他でもない」
あ、急に話し始めた。
「君たちにはこれからアイドルになってもらう」
「「「は!?」」」
城戸さんの口からアイドルという単語が出てきたことに驚きだよ。
「ボーダーには嵐山隊がいるじゃないですか」
「嵐山隊はいわばタレント。今回はアイドルだ」
「アイドルって言うと、要するに歌ったり踊ったり?」
と隠岐が問うと、
「そうだ」
とだけ、城戸さんが答えた。
え、出水たちが歌って踊る?
腹がよじれるくらい笑いそうだ。
「なんで俺たちなんですか?」
「年齢ごとの括りで一番華があって、顔の造りがいいからですよ」
と、根付さんが言う。
「特に奈良坂くんと隠岐くん」
「やっぱりな」
ここには納得するしかない。
「あと、役割分担しやすかったので」
「役割?」
「有名アイドル事務所のグループのメンバーにはそれぞれ役割があるんだよ」
「俺と弾バカはガヤ役的な?」
「そんな感じです」
「……俺、女の人が苦手なんですけど」
と、新之助が難を逃れようとしたが
「辻くんの女性が苦手という短所も、活かせば長所になります」
と、根付さんに躱されてしまった。
ドンマイ、新之助。
「若村と三浦は?」
「彼らは諸事情により不参加です」
あ、三輪が解せぬ。って顔した。
「あれ、私は?」
「如月さんは歌うマネージャーをしてもらいます」
「ふぁっ!?」
なんだそれ。
「基本、同級生のアイドル達のバックアップをしてもらいますが、如月さんにもメディアに出てもらいますよ」
誰か嘘だと言ってくれ。
なんか、その後レッスンが何日から始まるとかなんとか言われて、その日は解散になった。
「なあ、アイドルだって」
「俺らが?」
「マジかよ……」
(続かない)
あとがき
スマボのアイドル服を見た時から書きたい衝動に駆られていたので、確かな満足とはこの事だと思います。
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