始まり


「早く!置いてっちゃうぞ!」

カシスの声がする。

膝まである草を分けて、赤い髪が目立つ後ろ姿がずんずん進んでいく。

「待ってよ……!」

待つような性格じゃないのはわかっているけど、
俺は声を上げてあいつの後を追った。

目的地はこの先だ。

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