『私のどこが好き?ver.エミヤオルタ』
「――は、」
返答は嘲笑だった。真剣に答えてくれよと彼の隣に座り彼に寄りかかると、今度は「重いぞ」という苦言が返ってくる。
それでも退けはしない彼の優しさに甘えていると、彼は少し間を置いてから「……好きなところ、ね」と言って目を細めて遠くを見るような素振りを見せた。
「もしかしたら昨日の俺にはあったのかもわからんが、生憎、今の俺には心当たりがなくてな」
それを言われるとこちらも強く出られず、そうか、と言いながら短く息を吐く。
……あぁでも、いつも彼が持っている手帳になら、何か書いてあるんじゃないか、なんて。私がそんな期待をしたのと同じタイミングで、彼がその手帳を取り出した。
「…………」
そしてそれを数ページめくって目を通してから、彼は再度口を開く。
「好きな理由など知る由もないが――そうだな、ここにアンタの名前を書くくらいには、どうやらアンタを気に入っているらしい」
――それは、なによりも熱烈な愛の言葉なんじゃないだろうか。
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