『私のどこが好き?ver.キャスター』

「あ? あー……ゼンブだよゼンブ」

 ふぅ、と紫煙を吐きながら、適当な調子でそう答える彼。もっとちゃんと答えてよ、と肩を揺さぶると、彼はまた心底面倒だという顔で頭をかいた。

「あ〜…………んじゃまぁ、あれだ、抱き心地がいいと、っだだだ」

 ちからいっぱい頬をつねると彼が「正直に答えただけだろうが」と言いながら眉尻を下げる。ならなんだ、結局身体目当てなのか、そこにしか魅力を感じないのか、と憤る私を彼はじっと見つめた後――おもむろに、私にキスをした。

「……いつだってこうしたいと思ってんのに、それに理由は必要か?」

 彼の親指が私の唇を撫でる。固まったままの私に、彼がもう一度問いかけた。

「もう一度きくぜ――なぁ、好きに理由は必要か?」

 私はもう、答える言葉を持たなかった。



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