「利吉さん…」
「…小鈴か」
「今、よろしいですか」
「どうした?そんなところにいないで、こっちにきなさい」
「あの…」
「ん?」
「利吉さんはゆっくり考えろと仰ってくれましたがこのまま引きずりたくないので…お返事させてください」
「…」
「利吉さんの気持ちは嬉しかったのですが…今はまだ仕事を優先させたいので…結婚のことは考えられません。申し訳ございません」
「…やっぱりな」
「え…」
「分かっていたさ…君が仕事人間だということは」
「り、利吉さんには言われたくないです…」
「はは…そうだな」
「利吉さ…」
「すまん…もう少しだけ、このままでいさせてくれ」
「…なかったことにしてくれなんて言えないけど…なにも変わらないよ。私達の関係は…」
「あ…」
「私にとって君はたった一人の妹だ。松葉鈴でもなく、音無小鈴でもない…山田小鈴という少女がいたことを忘れないでくれ」
「兄上…」
「え…」
「ありがとうございます…」
「なぁ…家には帰ってくるんだろう?」
「はい…母上にも挨拶したいですし」
「そうか…」
「それに…」
「ん?」
「お休みの日も家に帰ってもいいですか?」
「もちろん…母上も喜ぶ」
「よかった…」
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